未承認のコロナ抗原検査キット 無許可販売疑いで2人逮捕
2021年09月29日 のニュース

国が未承認の新型コロナウイルス抗原検査キットを「感染の有無を判定する医薬品」だとして販売した-として、福知山署は28日、京都市中京区の通信販売会社の役員ら2人を医薬品医療機器法違反(医薬品の無許可販売、未承認医薬品の広告の禁止)の疑いで、逮捕した。未承認のキットに関する摘発は全国で初めてという。
逮捕されたのは、取締役の男(39)=香川県観音寺市=と、社員の女(30)=東京都小金井市=。
同署によると、国が未承認の中国製の「研究用」抗原検査キットを同社のサイトで、「現在の感染確認ができる商品です」などと、診断用医薬品としての効能や効果をうたって1個4千円ほどで出品。昨年12月から今年2月までに、5人に計7個を約3万円で販売した疑い。
今年1月、同署員のサイバーパトロールにより、同社が広告で明確に診断用とうたっていたことなどから、捜査を開始。府警が民間の専門機関に依頼してこのキットを調べたところ、国の承認を受けているものと比べて、264分の1の検出精度しかなかったという。
同署の調べに対して、いずれも容疑を認めていて、男は「善意の気持ちから販売した」、女は「コロナ禍で必要とされている商品だと思った」と供述している。同署は、同社が計2300個ほどを販売し、1千万円以上を売り上げていたとみている。
写真=押収された新型コロナウイルス抗原検査キット