コロナで中傷や差別 抱え込まず相談窓口利用して
2021年05月24日 のニュース
京都府福知山市人権推進室の人権相談窓口では、新型コロナウイルスによる中傷被害、差別などに関する相談に乗っている。当事者だけでなく家族、知人ら相談者から、話を聴いて問題の解消を目指していて、苦しい思いをしている人に窓口の活用を呼びかけている。
人権推進室では、普段から様々な差別、偏見などの相談を受けている。相談者の気持ちに寄り添いながら話を聴くことを心がける。状況によっては、人権侵害をしている側にも事情を聴くほか、相談者を法務局など関係機関とつなぐ役割も担う。相談時には、個人情報などの守秘義務を順守する。
新型コロナ関連の人権相談は、感染拡大が始まった昨年から対応するようになった。昨年度の相談件数は5件。ただ、誹謗中傷などの被害にあった当事者からの相談はないという。
担当者は「問題が起きていないのであればそれに越したことはありません。でも、被害に遭いながら誰にも相談できずにいる場合は、話すだけでも楽になることがあるので窓口を頼ってほしい。自分や家族だけで抱え込まないで」としている。
■症状を隠して終息遠のく要因にも■
市は相談窓口を設けるほか、感染者、医療従事者とその家族らへの差別、誹謗中傷をしないよう、広報やホームページで啓発している。「市内では感染が続いていて、誰もが感染するリスクがある。誹謗中傷やいじめ、差別は人々の不安を強くします。その結果、感染が疑われる症状があっても隠してしまう人が出るなどし、終息が遠のくことになります。だれもが受け入れられる思いやりのある社会を目指しましょう」としている。
また、インターネットで何気なく発信した情報が誹謗中傷や偏見につながる可能性もあるため、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などで無責任な書き込みをしないように注意を促している。
相談は、人権推進室、電話0773(24)7021へ。平日の午前8時30分から午後5時15分まで受け付けている。
写真=人権推進室では中傷被害などの相談を受け付けている