AIを活用し災害対応 福知山市と公立大が米国МITと共同研究
2021年05月17日 のニュース
米国の名門大学・マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究所「アーバンリスクラボ」は、日米の関係3者で取り組むAI(人工知能)を活用する防災研究プロジェクトの研究パートナーに、京都府福知山市と福知山公立大学(井口和起学長)を選んだ。水害常襲地の福知山が持つ被災経験則を役立てて災害時の情報把握システムを構築し、的確な行政の意思決定や住民避難の支援につなげる。
プロジェクトは、今年4月から始動している。過去に大きな水害を何度も経験している中小規模の自治体を探していたところ、自主防災組織など市民活動が活発なことにも注目して、福知山市に白羽の矢が立ち、MIT側から共同研究参画を求めて打診があった。
アーバンリスクラボでは、住民がSNSに投稿した災害現場に関する情報を、地図上に集約して表示させるシステムをすでに構築している。
今回は、市から提供を受けた過去の水害のデータや聞き取り調査などを参考にして、SNSで発信された写真やテキストなどのデータを解析したり、情報の信ぴょう性を即座に分析ができるAI活用システムの開発をめざす。
市によると、MITがAIサポートを活用した水害に関する防災研究で日本の自治体と連携するのは初めてになるという。
14日には、福知山市役所で開かれたミーティングの冒頭が報道陣に公開された。リモートで参加したアーバンリスクラボの研究員らがプロジェクトの概要を説明した。
大橋一夫市長は「福知山市はもちろんのこと、全国や他国も含めて有益なものになることを期待している。研究に必要なデータ提供や過去の災害時のヒアリングなどは、市としてできる限りの協力をしたい」と話した。
秋ごろには、構築したシステムの実証実験を市の防災訓練で行う予定。
写真=オンラインでミーティングが行われた