山名宗全寄進の仏画「絹本著色十二天像」 古代あさご館で展示
2021年03月08日 のニュース

兵庫県朝来市山東町大月の朝来市埋蔵文化財センター「古代あさご館」で、兵庫県指定文化財「絹本著色仏画十二天像」の企画展が開かれている。密教の教えに出てくる毘沙門天など12の神を描いた仏画で、市内岩津の古刹、高野山真言宗鷲原寺に但馬の守護大名山名宗全が寄進したもの。展示は28日まで。
天と地と10の方位を守る存在で、十二天。応仁の乱で西軍の総大将となった山名宗全の署名花押が、1幅ごとにあり、室町時代(1336-1573年)に制作されたことが分かる(宗全没は1473年)。
ただし、12幅のうち「風天」のみ、途中で失われ、江戸時代に新たに買い求められている。
江戸時代の寛保3年(1743)に一度修復がされ、165年後の明治41年(1908)にも修復が施されており、同寺が古くから今にいたるまで、連綿と大切にされてきた寺院だということが分かる。
展示にあたっては1点ずつ、どの方角を守護し、どのような神かを解説し、「右手の刀で煩悩を断ちます」(羅刹天)などと注目点を紹介している。
古代あさご館は道の駅「但馬のまほろば」と一体になった施設。時間は午前9時から午後5時までで月曜休館。無料。電話079(670)7330。
写真=山名宗全が寄進した十二天像が並ぶ