最長1年、地域での暮らしを体験 中六の住民組織が移住希望者の「お試し住宅」整備
2021年02月27日 のニュース

京都府福知山市の住民組織・中六人部地域づくり協議会(ミライト中六)は、移住希望者が一定期間住み、地域での暮らしを体験する「お試し住宅」として、中地の空き家を整備した。シェアハウス型で、すでに1人の居住は決定しており、そのほかは3月下旬から募集を開始。移住希望者を呼び込み、地域の担い手不足や空き家の解消につなげる。
発案者は、長野県軽井沢町から、親や祖父母の地元に移住する「孫ターン」として、中地で暮らす堀代知さん(32)。市まちづくり推進課とも連携し、昨年7月から準備を進めてきた。お試し住宅は、公営住宅などを活用して行政が運営する事例はあったが、地域づくり組織が主導するのは、市内で初めてのケースになるという。
住宅は堀さんの祖父母が4年前まで住んでいた木造2階建て、築約60年の空き家を使用。ミライト中六が借り上げ、市と府の補助金を活用し、内装を大規模改修した。家具や家電もそろっていて、いつでも居住できるようになっている。定員4人で、最長1年居住できる。
運営はミライト中六で、管理は堀さんが担当する。事業を円滑に進めるには、近隣住民の理解が必要になるため、23日に完成見学会を開催。実際に見てもらい、経緯や協力を呼びかけたりした。
市地域振興・移住担当課長の谷口智広さん(51)は「地域協議会と堀さん、市の思いが一致し、良いコラボができました。これが成功事例となり、ほかの地域にも広がれば」と期待。堀さんは「このお試し住宅で、移住者を増やすきっかけを作りたい」と話している。
写真=住宅名は「Wぴーす」。写真は発案者の堀さんと妻の可奈さん