猟犬の代わりにドローン 京都府猟友会が追い込み猟の実証実験
2021年02月17日 のニュース

一般社団法人京都府猟友会(西村義一会長)はこのほど、京都府福知山市十三丘の山林で、猟犬の代わりとして無人航空機(ドローン)を使った有害鳥獣の追い込み猟の実証実験を行った。猟友会員ら約20人が参加し、機体の性能や効果を確かめた。
狩猟者の高齢化や担い手不足に加え、猟犬は夏なら暑さで30分ほどしか体力が持たないことなどから、季節に左右されることのない効率的な方法を模索。1年前から市内の一般社団法人無人航空機操縦士養成協会(志村伊織代表理事)と協力し、専用機の開発を進めてきた。
録音した犬の激しい鳴き声を流せるスピーカーを付け、鳴き声が響くようにプロペラ音を最小限に抑えるなど何度も改良。駆逐花火を発射できる機能も備えている。
今回の実証実験は、JR上川口駅西側の山林で実施。下夜久野駅までの路線は、動物と車両との衝突が福知山支社管内の中でも多く、例年50件ほど起きている。昨冬には、初めて府猟友会福知山支部(下元照男支部長)に捕獲の依頼をしたが、猟犬が線路内に入ってしまうなどの課題があった。
実験では、猟銃を持ったメンバーが山に入り、各地点で待ち伏せした。高所作業車のリフトに乗り込んだ下元支部長が、ドローンを操縦。上空から犬の鳴き声を流すなどして、多数のシカやイノシシを誘導し、今回はシカ1頭を捕獲した。
西村会長(65)=南丹市=は「ドローンを活用した有害鳥獣駆除は全国でも京都府が先進地となっている。猟犬が入れない線路や社寺仏閣などでも使え、効果的だと分かったのですぐに実際に使いたい」と話していた。
写真=スピーカー付きのドローンを上空に飛ばし実験した