江戸時代の養蚕家屋で茅葺き屋根葺き替え 丹波市教委が5日に現場見学会
2020年12月04日 のニュース

江戸時代の養蚕農家の家屋を移築保存している兵庫県丹波市青垣町佐治の旧朝倉家住宅で、貴重な茅葺き屋根の葺き替え工事が進められている。5日午後2時からは、工事の現場見学会が開かれる。
旧朝倉家住宅は青垣町大名草一ノ瀬にあった旧宅で、1972年(昭和47年)に、当時の町役場敷地内へ移設復元された。翌年に県文化財指定を受けている。
建物の形式などからみて18世紀(1700年代)中期の建造物と考えられている。南側の屋根は切妻、北側は入り母屋になっていて、傾斜角は47度。雪が滑り落ちやすい角度になっている。屋根裏では蚕が飼われ、換気や明かり取りのための窓が開けてある。
玄関を入ると土間になっていて、左側には牛を飼っていた「まや」。右側は「くちのま」(居間)、「おもて」(座敷)、「へや」(寝間・納戸)がある「三間取り」形式になっているのが特徴。18世紀以降は「四間取り」が多くなるという。
屋根の修繕はこれまでにもしてきたが、軒先部分の陥没が目立つなど劣化が見られるようになったため、県の補助事業で昨年度に葺き替え作業に着手。昨年度は屋根の北面34平方メートルと西面138平方メートルを行い、今年度は東面69平方メートルを手がけている。
見学会では市教育委員会による朝倉家住宅の概要説明と、茅葺き業者による現場説明がある。希望者は丹波市青垣住民センター(旧町役場、現市青垣支所)ロビーに集合。申し込み不要で、無料。
また見学会に合わせて、隣接の青垣歴史民俗資料館展示館を無料開放する。農具や養蚕道具を中心に展示していて、通常は火曜~金曜日の午前9時~午後5時開館で220円。事前に教育委員会文化財課に問い合わせがいる。電話0795(70)0819。
写真=珍しくなった茅葺き屋根の葺き替え工事が進んでいる