自分たちで和紙を漉いて卒業証書作り 大江の3小学校
2020年11月12日 のニュース

京都府福知山市大江町二俣三、美鈴小学校(塩見文雄校長、18人)の6年生が10日、近くの和紙伝承館で、来春の卒業式で自分たちが受け取る卒業証書に使う和紙の手漉(す)きをした。来年4月には、町内の別の2校と統合が予定されているため、美鈴小としては最後の卒業証書作りになった。
大江の美鈴、美河、有仁の3小学校は毎年、6年生が手漉きで、丹後二俣紙(丹後和紙)の卒業証書を製作。伝統産業の手漉き和紙の良さや作業の大変さを体験してきた。
美鈴小6年生は4人いるが、この日は3人が体験。伝承館隣の田中製紙工業所の代表で、丹後二俣紙保存会副会長の田中敏弘さん(58)に漉き方を教わった。
児童たちは木製の簾桁(すげた)という道具を使い、水槽の漉き舟から、和紙の原料となるコウゾの溶液をすくい取って漉いた。均等な厚みの紙になるよう、簾桁を前後左右に動かした。
漉き上がった和紙は田中さんの工業所で乾燥してもらい、学校で名前などの文字が入れられ、卒業式で渡される。
6年生の神社心音さんは「紙漉きは初めてで、簾桁が重くて腕が疲れましたが、貴重な体験ができました。仕上がりが楽しみです」と話していた。
美河、有仁の2校は12月に体験をする。
写真=田中さんに教わり、和紙を漉く美鈴小6年生