ドローンでカメムシ防除 1時間半かかる農薬散布を10分で
2020年08月06日 のニュース
京都府福知山市の中六人部地区で、ドローン(小型無人航空機)を使った水稲田への農薬散布が行われている。散布はラジコンヘリコプターを使ったり地上から動力噴霧器で行ったりする方法があるが、効率的にできる大型のドローンを使う方法も導入が進んでいる。
今回の散布は、地区内の農家から委託を受けた株式会社アグリサポート夢(本社・福知山市大内、佐々木真社長)が行った。JA京都にのくにの出資型農業法人で、2017年に設立。中六人部地区を拠点に、農作業の受委託事業、農畜産物の生産・販売事業などをしている。
同社は農業用ドローン2台を所有し、JA京都にのくにの委託を受けて今年度から中六人部と三和町での農薬散布を開始。ドローンの散布作業は農業用の資格が必要で、大内にある無人航空機操縦士養成協会のトレーニングセンターで、社員4人が資格を取得した。
3日には、田野山田、田野、笹場と、大内山田、後正寺、下地の2エリアに分かれて計約19ヘクタールで作業。カメムシ防除の液剤を搭載したドローンが、稲の穂先約2メートル上を飛び、噴霧していった。7日まで両地区の依頼があった田で散布をする。
担当者は「農薬の散布は、地上からだと1ヘクタール当たり1時間30分ほどかかりますが、ドローンだと10分ほどでできます。羽根から吹き降ろす風が弱いため稲の倒伏がなく、農薬を風で稲の間に送り込むので、効率的に散布できます。電動モーターで飛ぶため騒音が少ないのも長所です」と話している。
今後、ドローンを小豆の除草や施肥などにも活用していく考え。
写真=ドローンで農薬を効率よく散布した