京都にこだわりフルーティーな「どぶろく」 全国大会最優秀3回さとうが新商品
2020年06月19日 のニュース

国のどぶろく(濁酒)特区になっている、鬼伝説のまち京都府福知山市大江町で、どぶろく「鬼ババァー」を造る割烹さとう(佐藤博行店主、同町河守)は、新しい品種「どぶろく鬼ババァーKYOTO」を造った。京都の米と酵母を使い、地元京都に特化した。代表銘柄の「鬼ババァー」は、これまでに全国コンテストで3回最優秀賞を獲得していて人気が高く、新商品も期待がかかる。
さとうでは2011年から、佐藤さんの妻で杜氏の則子さん(69)が、店舗の隣に設けた醸造所で、どぶろくを造っている。割烹のほか、京阪神などでも販売し、京都でどぶろくが造られているということに関心を示す人が多かった。
このため則子さんは、本当に京都らしいどぶろくを造ろうと決心。昨年11月から研究を始めた。
もともと米は日本の棚田百選に選ばれている同町毛原で栽培するコシヒカリを使ってきたが、酵母はこれまで日本醸造協会(東京都北区)が頒布するものを使用していた。そこで、京都市産業技術研究所(下京区)が市内の佐々木酒造と共同で開発した酵母「京の琴」に替え、京都ブランドを高めることにした。
鬼ババァーKYOTOは、甘酸っぱくて濃い味の通常の鬼ババァーと違い、優しくフルーティーな香りと柔らかい口当たりが特徴。ワインのような細長い瓶に入れている。
価格は500ミリリットルで2200円(税込み)。則子さんは「通常の鬼ババァーと飲み比べるため2本買っていかれる人もいます。特に若い人や外国の方々にも飲んでもらい、大江で造るどぶろくの魅力を伝えていきたい」と話している。
写真=「鬼ババァーKYOTO」を手にする佐藤さん