「天空の城」竹田城跡に17万人 前年度を10%上回る
2020年04月04日 のニュース

兵庫県朝来市の名所で国史跡、「天空の城」竹田城跡を2019年度に訪れた「入込者」数がまとまった。計17万3801人で、前年度を10・4%上回った。
映画の舞台となり、グーグルのテレビCMに使われるなどして大ブームとなった2014年度には、58万人を超える観光客が押し寄せ、地域の対応能力を超える「オーバーツーリズム」状態になったが、その後は年々落ち着きを見せている。地元の受け入れ態勢も整備が進んだ。
市観光交流課によると、19年度の月別で多かったのは、雲海シーズンの11月で3万4213人。次いで新緑の5月の2万6094人、桜の4月2万2527人の順。冬季は訪れる人が減り、1月4日から2月末までは閉山するため訪れる人は無いが、正月三が日は計3101人が登った。山開きを迎えた3月は、新型コロナウイルスによる全国的な自粛の関係で、前年同月の8・9%減、1万3898人にとどまった。
年度の総入込者数が増えたのは、前の年に土砂災害で登山道が1本閉鎖されたことにより入込数が減っていたのが、復旧回復したことが大きい。
■インバウンドに力 台湾から9千人■
また海外からの観光客が増えてきていることも、数字を押し上げた。19年度のインバウンド入込者数は1万2229人。前年度より25・3%増えている。国・地域別では、積極的にキャンペーン展開している台湾が9千27人で、インバウンドの73・8%を占めた。次いで香港1110人、タイ110人の順となった。
■対岸の立雲峡も人気 8万人が見下ろす■
竹田城跡観光は、城跡へ登るだけでなく、遠方から眺めるのも楽しみの一つ。特に円山川を挟んで対岸の立雲峡は、最上部から竹田城跡を見下ろせる絶好のロケーションとあって人気がある。
市は登り口に赤外線カウンターを設けて入込数を集計しており、18年度は8万2421人で、19年度もほぼ同じ8万412人が登っていた。月別では11月が1万8635人で最も多い。
■現在桜7分咲き ライトアップも■
竹田城跡は季節によって入城(登山)時間が変わり、5月末までは午前8時から午後6時まで。高校生以上500円(年間パスポートは1千円)で、中学生以下無料。市によると、城内の桜は現在7分咲きだという。開花状況によって期間は変わるが、予定では12日まで夜間ライトアップをする。
写真=にぎわう竹田城跡(2016年に朝来市撮影)