公共施設再開「考え甘い」 医師会が福知山市に提言

2020年04月02日 のニュース

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、京都府福知山市の福知山医師会(井土昇会長)は1日、福知山城天守閣=福知山市内記一丁目=など市が運営する公共施設について、休館を含めた再検討を求めて市に提言した。

 市は、市内で感染者が出たことを受け、3月11日から27日まで公共施設98カ所を臨時休館にした。その後、国の専門家会議の提言、分析などを踏まえて、同月28日から、換気の悪い密閉空間など感染拡大リスクが高い「3密」環境が同時に重なる場を回避できることを前提に、感染防止対策も徹底することで96カ所を再開している(一部制限あり)。

 医師会はこの市の対応に苦言を呈した形。提言書を携え市役所を訪れた井土会長が、渡辺尚生市長公室長、田村雅之福祉保健部長と話し合った。

 市内では3月10日以降、新たな感染者は出ていないが、提言書では「大都市からの観光客の流入は、福知山のような小規模な都市であっても、新たな感染者の発生や増加、ひいては感染爆発につながる危険性がある」と訴える。感染拡大による地域医療崩壊への危機感も募らせ、「市営施設の運営に際しては、感染対策など医学的な観点から、閉鎖も含め、慎重に判断いただきたい」とした。

 井土会長は「予防対策をしても100%ということはなく、考えが甘い。少なくとも観光施設はやめておかれた(休館した)ほうがいい。感染爆発が起きると止められず、地域医療も崩壊します。最悪のシナリオを想定して英断を」と釘を刺した。

 渡辺市長公室長は「全市的な判断となり、現在(1日午後時点)は現状の判断となる。いただいた提言は市長、副市長にしっかりと伝えたい」と話した。

 医師会は、市立福知山市民病院が職員感染によって一般・救急外来を一時休診した際には、市内救急搬送の大半を引き受けていた民間の京都ルネス病院に開業医が輪番で詰め、夜間の小児救急の受け入れ態勢を整えて支援した。
 
 
写真=提言書を手渡す井土会長(右)

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