お城や光秀ミュージアムも　感染拡大防止に公共施設98カ所一斉休館

　新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、感染者が出ている京都府福知山市は、福知山城天守閣や三段池公園などの観光施設をはじめ、体育施設、地域公民館などの公共施設98カ所を11日から27日まで休館（図書館など前倒し分含む）することにした。これほどの広範囲に及ぶ一斉休館は異例。

　市役所で9日夕に開いた市新型コロナウイルス感染症対策本部（本部長・大橋一夫市長）の会議で、一斉休館の方針を固めた。

　休館するのは、福知山城天守閣▽市佐藤太清記念美術館（福知山光秀ミュージアムを含む）▽三段池公園の体育施設（体育館会議室を含む）、動物園、植物園、児童科学館▽厚生会館▽市民交流プラザ（産業支援センターなど一部継続）▽三和荘▽農匠の郷やくの（高原市は継続）▽日本の鬼の交流博物館など。

　このほかの体育館やグラウンド、集会所もあり、休館施設は多岐にわたる。

　一方で、市役所と3支所、市民病院大江分院など医療施設（市民病院除く）▽保健・福祉施設▽市立保育園・幼稚園▽放課後児童クラブ教室▽児童館▽公園（わんぱく広場除く）・緑地▽斎場などは閉めない。

■臨時休館知らず残念がる観光客も■

　臨時休館の張り紙が掲出された福知山城周辺には11日午前、知らずに訪れた観光客が残念がる姿が見られた。

　大阪から妻と2人で観光に訪れた50代の男性は「臨時休館を知らず、ミュージアムも城内にも入れず残念でした。せめて外観を楽しもうと城周りを2周しました。この後は城下町を見たい」とがっかりしていた。

　9日には今年度の入館者が10万人を超えたばかり。

　福知山城の駿河禎克館長は「期待感を持って来られる方が多く、閉鎖をするのは残念ですが、新型コロナへの対策なので仕方ありません」と話していた。
　
　
写真＝閉鎖の知らせが掲出されている（11日午前9時20分ごろ）