スマホで防災情報増えても避難につながらず、福知山市が検討会設置

2019年11月16日 のニュース

 災害時に避難の必要性が分かる情報発信、使いやすい避難所などを模索する京都府福知山市は、官民でつくる「市避難のあり方検討会」を12日に発足させた。

 福知山は水害の常襲地で、近年も2013年から昨年までの短期間に台風や集中豪雨で4度にわたる甚大な内水・外水の氾濫による被害が相次いだ。

 スマートフォンの普及などで、手に入る防災情報は増えた。しかし、実際の避難行動に結び付かないケースが課題として残る。全国的にも水害は激甚化、頻発化して多くの犠牲者が出ており、避難のあり方が問われている。

 市は検討会を立ち上げて、福知山で実効性が高い避難のあり方と市民の意識向上につなげたい考え。委員は国、府、市、学識経験者、地域代表の市民、消防団や福祉団体の代表者ら13人で構成する。

 東羽合の市消防防災センターで開かれた第1回会合では、座長に矢守克也・京都大学防災研究所教授、副座長に竹之内健介・同研究所特定准教授が就き、議論に入った。

 矢守座長は、昨年の7月豪雨(西日本豪雨)で最も雨が降った高知県ではなく、岡山県の一部地域で被害が拡大したことなどを例に挙げ、「その土地にとって過去に経験したことがない雨というのが怖い」と指摘。竹之内副座長も「『記録的な雨』という表現が分かりにくく、福知山にとって記録的とは何か、避難とは何かを考える必要がある」と続けた。

 他の委員も「ハザードマップを作っても住民が見るかというとそうでもない。工夫がいる」「高齢者には避難情報が難しい」など、活発に意見を交わした。

 検討会は、関係団体へ聞き取り調査もしながら今年度中に中間報告をまとめ、モデル地域での避難行動の検証などを経て20年10月に最終報告書を取りまとめる。
 
 
写真=避難のあり方について模索する検討会で、活発に意見を交わす委員

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