長町の銭湯「櫻湯」115年の歴史に幕 多くのファンが別れ惜しむ

2019年11月01日 のニュース

 京都府福知山市内で唯一の銭湯だった長町の「櫻湯」が31日の営業をもって閉店し、明治37年(1904)の開業以来、115年の歴史に幕を下ろした。営業最後となったこの日、遠方からも多くの銭湯ファンが訪れ、ゆっくりと湯につかり閉店を惜しんだ。

 櫻湯は新町商店街や広小路通りに近い街中にある。明治時代にはやった洋館風の外観で、浴室内は浴槽の中に腰かけ段がある大阪様式と、意匠を凝らしたタイル張りなどが特徴の京都様式を採り入れている。

 脱衣所は木製のロッカーに、昔ながらの行李が備え付けられ、レトロな空間を醸し出していた。

 先代の父親から受け継いだ井川精一さん(74)が20代のころから営業を続け、7年ほど前からは姉と一緒に店を支えてきた。湯は地下からの水を使用。以前はおがくずを燃やして沸かしていたが、近年は廃材を使っていた。

 井川さんが受け継いだころ、市内には櫻湯を含め11店の銭湯があったという。一般家屋に風呂が普及していくと、廃業する店が多くなり、櫻湯でも利用者が年々減少していった。

 やがてボイラーや配管などの故障が相次いだことで、2年前に廃業を考えたが、銭湯愛好者らでつくる「チーム櫻湯」から、劣化が目立った浴室のペンキ塗りをするなどの支援を受けたことで、廃業を思いとどまった。

 しかし、その後もボイラーなどの故障が続いて修理に高額な費用がかかり、後継者もいないため、店を閉めることを決意した。

 最終日は廃業を知った多くの人たちが「ぜひ最後に湯船につかろう」と駆け付けた。伊丹市の男性(43)は「櫻湯はレトロな雰囲気がいいですね。最後に来ることが出来てよかった」と話していた。

 毎日のように利用していた福知山公立大学地域経営学科の谷口知弘教授(55)は「なくなるのは本当に惜しい。櫻湯を復活させ、次世代に残していくため、何とか策を考えていきたい」と言う。

 井川さんは「きょうは遠方からも多くの人たちに来ていただいた。長い間愛用していただき、ありがたかった。お世話になりました」と感謝の気持ちを話していた。
 
 
写真上=遠方からも多くの人たちが訪れた
写真下=営業最後の日にゆっくりと湯船につかる利用者たち

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