樹齢700年、台風で折れたご神木をクレーン使って剪定 大原「御旅杉」

2019年09月11日 のニュース

 京都府福知山市三和町大原の市天然記念物「御旅杉」で、枝の剪定作業が10日に行われた。樹齢700年以上、樹高24メートルの大杉は、木の先の方が3つに分かれているが、2018年の台風20号により、頭頂部の1本が折れ、すぐ下の枝に引っかかったままの危険な状態だった。専門業者がクレーン車を使って木に登り、枝を取り除いた。

 お旅杉は、近くの大原神社(林秀俊宮司)で5月初めに催される春季例大祭で、神様が乗った神輿を休める「御旅所」に生えていることから、この名前で呼ばれている。

 しかし、今年は引っかかった枝が落下する恐れがあることから、例大祭の神輿がお旅所に入れない事態となっていた。

 これを受け、大原うぶやの里活性化推進協議会(小林英夫会長)が、府の「京の森林文化を守り育てる支援事業」を活用し、大原神社とともに杉の保全事業に取り組んだ。

 作業前に林宮司が「安全清祓」で作業員の無事を祈願。このあと、近くに駐車した大型クレーン車から、木のほぼ真上にクレーンを伸ばし、先端にワイヤでつるされたフックに作業員が専用器具でぶら下がり、チェーンソーを使って作業した。

 せんていは一日で終わり、林宮司は「これで、また来年からお神輿をお旅所に入れることができます」と胸をなでおろした。

 市内では今年度、ほかに2団体が京の森林文化を守り育てる支援事業を活用している。
 

 
写真=クレーンにぶら下がりながら作業を進めた

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