文化遺産に包まれ、地域の人に祝福受けて結婚式 うぶやの里ウェディング
2019年04月03日 のニュース

京都府福知山市三和町大原でこの春、大原神社や自然などを生かした結婚式があった。文化遺産が織りなす風景の中を歩く花嫁行列、大原神社境内の絵馬殿を活用した披露宴などが行われ、地域の人たち、親族らが新郎新婦を祝福した。
結婚式は、福知山観光地域づくりセンター、大原うぶやの里活性化協議会(小林英夫会長)、三和の人らで実行委を組織し取り組んでいる「うぶやの里ウェディング事業」の一環。
大原地区には府指定文化財の産屋(うぶや=出産する昔ながらの施設)、安産祈願にご利益のある大原神社、集落を流れる川合川などがあり、里山の美しい景観が広がる。実行委は昨年から、地域資源を活用した活性化を模索しており、昨年11月にはフォトウェディングを開いた。地域の魅力を発信するとともに、訪れる人を増やし、地域活力の向上をめざしている。
式を挙げたのは俣野喬仁さん(31)、由里子さん(28)。昨年6月に入籍し、住所は東京都小平市だが、喬仁さんは実行委員会の一員でもあり、三和町下川合と東京の2拠点で生活している。
ウエディング事業のモニターも兼ねて3月30日に式を挙げ、喬仁さんは羽織袴、由里子さんは白無垢姿で、産屋前から川合川を渡って神社本殿へ通じる道を歩いた。親族があとに続き、沿道に並んだ地域の人らが温かい拍手で見守った。
福知山公立大学生4人も協力し、男子学生3人が奴として先頭に立ち、大原の伝統芸能の「練りこみ」を再現する演出をした。福知山御霊太鼓の演奏も雰囲気を盛り上げた。
本殿で神前式が行われたあと、絵馬殿に移動して披露宴へ。大原産のシカ肉を使ったジビエ料理、祝いの餅つきなどがあり、盛りあがった。
花嫁行列を見た地元の79歳の女性は「自然の中での素敵な式でした。こうした式を挙げる人の輪が広がればうれしい。地元としても祝福したいです」と喜んでいた。
実行委では、一般からの挙式の申し込みを受け付けている。問い合わせは福知山観光案内所、電話0773(22)2228へ。
写真=多くの人に祝福されながら産屋前を歩く俣野さん夫婦