栽培技術や活動認められ、丹波くりマイスター認定 三和町辻の細見昌一さん
2025年03月14日 のニュース

京都府福知山市三和町辻の丹波くり農家、細見昌一さん(73)が、公益財団法人日本特産農産物協会から、地域特産物マイスターの認定を受けた。農作物の栽培、加工に卓越した技術をもち、指導者となる人材を認定する制度で、くり栽培での認定は全国で7人目、府内では栗の匠・山内善継さん(京丹波町)に次いで2人目となる。
細見さんは、自宅そばの耕作放棄地で、1997年ごろから丹波くりの生産を始めた。2020年には、府の丹波くりマイスター養成講座に参加。講師の山内さんから剪定や草刈り、肥料のやり方などを、改めてみっちり学んだ。
現在は、管理する栗園(36アール)で約210本の木を育て、銀寄、筑波など8品種を栽培する。2022年の収穫量は500キロだったが、昨年は650キロに増えるなど、着実に量を増やし、3~5年後には1トンの大台を目標に掲げている。
また、京都丹の国農業協同組合三和くり部会長、福知山地方丹波くり振興会長を務め、中丹管内での栗栽培の研修、講習会では、講師として参加者に技術を惜しみなく伝授。栗農家の育成にも、精力的に取り組んでいる。
さらに昨年からは、本格的に焼き栗の販売を始め、市内や近隣市町のイベントで出店。多くの人に食べてもらうことで、丹波くりのおいしさをPRする活動も行っている。
地域特産物マイスターは、都道府県が推薦する形で毎年募集。今年は、栽培技術と多様な活動が認められた細見さんを含め、ブルーベリーや茶、きゅうりの各農家ら10人が認定され、2月27日に東京都で認定証の授与式が行われた。
細見さんは「マイスターの認定は、めざしてきた目標の一つなので、うれしいです。その半面、これまで以上に先頭に立ち、栗農家の育成や生産量の増加を図る立場になり、責任も感じています。より一層、勉強や研究をして、技術を多くの人に伝えていきたい」と気を引き締めている。
写真=マイスター認定を喜ぶ細見さん