丹後七姫を巡る(2)  道の駅丹後王国「食のみやこ」には七姫がいっぱい

 京丹後市の道の駅丹後王国「食のみやこ」には、丹後七姫がいっぱい。園内外周路に七姫それぞれの紹介看板が立ち、ファストフードショップの名前は「乙姫玉手箱」。ファミリー層で賑わう大きなレストランは「七姫殿」。飲食施設が向き合う広場は「間人広場」という。演劇やコンサートも上演できる情報交流センターは「静の夢舞台」。そして人気なのが、姫たちをイメージして作ったクラフトビール「七姫ビール」シリーズ。七姫を前面に押し出す作戦の背景には、「丹後地域を活性化させたい」との熱い思いがあった。

丹後七姫をイメージして作ったクラフトビール「七姫ビール」

丹後の食を楽しむ人たちでにぎわう「七姫殿」

 丹後王国は、旧施設の「丹後あじわいの郷」が2015年に再編・リニューアルしてオープンした。リニューアルを手がけ、道の駅を運営しているのは、丹後地域を元気にと活動する地域商社の丹後王国ブルワリー社。社長の中川正樹さんは「前の年に丹後へやって来て、まず歴史を調べ、道の駅の名前を丹後王国にしました」と当時を振り返る。「その土地の歴史」は、ほかの地域には真似できない。新たに作り出すこともできない。中川さんは「歴史の無い所には文化も食も無い。歴史は地方再生の大きな財産だ」と力を込める。

 道の駅再生準備の中で丹後七姫のことも知る。「これこそ、ほかの地域に無い素晴らしい素材です。古く、深い伝説たち。生かさない手はない」と、奮い立ったという。


世界が認めたクラフトビール 
7つ のフレーバーで

 そんな、道の駅に携わる人みんなの熱い思いを受けて開発されたのが、丹後七姫ビール。例えば1番人気の「マイスター」は、苦難の生活を強いられた安寿姫にお米を捧げるとのイメージで丹後の米を使うなど、7人それぞれをイメージしたフレーバーを作り出した。いずれもビールの苦手な人や、女性にも喜ばれる飲みやすいビールになっている。

 道の駅の中のビール工房で造るクラフトビールは、いま10銘柄。国内外の大きなコンクールで受賞を繰り返す「世界が認めた味」とあって、コロナ禍で酒造業界全体が冷え込んだ中でも、丹後王国産は家飲み用として喜ばれ、ネット通販と卸売でコロナ前より売り上げが倍増したという。

道の駅内の工房で醸造するクラフトビールは女性にも飲みやすくて人気

道の駅丹後王国「食のみやこ」

 甲子園球場8個分、西日本最大級の広さを誇る園内に、丹後の食材が味わえるレストランやテイクアウトなどスタイルの異なる9つのフード店、特産品店など複数の物販店、体験工房、ホテル、ミニ動物園といった様々な施設がそろい、さながら道の駅という名の商店街。コロナ禍で一時期は入園者数が3分の1以下に減ったが、土日は賑わいが戻って来た。

京丹後市弥栄町鳥取123
平日9:00~17:00 土日祝9:00~21:00 
(17:00以降はレストランのみ営業)
火曜休業 ℡0772-66-3081
HP 
http://tangooukoku.com/

園内に様々な施設がある道の駅丹後王国「食のみやこ」

2022年6月17日更新

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