「農業を続けたい」 火災で農機具を焼失 再建に向けCFで支援求める オオカミファーム
2026年09月08日 のニュース
水稲栽培を中心に農業を営んでいる夫婦の自宅と倉庫=京都府福知山市談=が火災で全焼し、保管していた農機具などを焼失してから4カ月。当時は「何も考えられなかった」が、農業を続けたいという思いが日増しに強くなり、夫婦は来春以降の米作りなどに向けた農機具や設備を整えるため、クラウドファンディング(CF)で支援を募っている。
夫婦は大上貴之さん(41)、安菜さん(32)。2020年12月、元古物商の2人は京都市から安菜さんの実家がある福知山へ移住した。田舎暮らしに興味があった貴之さんが農業用機械を入手し、耕作放棄地を借りて趣味で米作りを始めた。
農業を通じて高齢化や後継者不足による離農者の増加を目の当たりにし、日本の農業の危機に直面。初期投資なしで若者が農業に挑戦できる環境を、雇用を通じて作り、将来にわたって米やトウモロコシなどを消費者に届けられるよう、安菜さんが代表取締役になって昨年2月、「オオカミファーム株式会社」を起こした。
2人は借り受けた耕作放棄地約25ヘクタールの農地で、高温耐性で収量が期待できる主食用米の「にじのきらめき」や酒米「五百万石」のほかトウモロコシなどを栽培し、消費者に届けている。
5月の火災で自宅、倉庫全焼
今年も5月5日から田植えを開始。計画通り順調に進めていたが、同月24日深夜、自宅、倉庫が火災に見舞われた。大上さん夫婦と小学生の娘は逃げ出して無事だったが、田植え機、播種機、草刈り機、肥料などがことごとく焼失。賃貸だった自宅、倉庫は火災保険に加入しておらず、農機具を失っただけでなく、支払いが済んでいない農業用機械の支払いも続いている。残ったものは着ていたパジャマと携帯電話。火災の原因は「分からない」という。
自宅も農業の拠点も失った2人は当初、火災を免れた苗に水をやることしかできず、栽培中のトウモロコシを枯らしてしまうほどだった。それでも田植えは続けた。残りの作付けのため田植え機を借り、知人にも協力してもらいながら、一部を除いて何とか終えることができた。
2人には、農地を貸してくれている人や農作物の購入者らが見舞金を届けてくれたり、励ましの言葉を掛けてくれ、それらが2人に少しずつ力を与えた。火災で焼失した娘のランドセルを贈ってくれた人もいた。
そういった後押しを受け、若い人が農業に挑戦できる会社を-との目標に向け、農機具の購入や保管場所の整備などに必要な資金を募るため、CFに挑戦することにした。目標金額は700万円で、期限は10月20日。にじのきらめきなどを返礼品にあてる。
安菜さんと貴之さんは、「自分たちが農業を続けたいということもありますが、日本の農業を守るため、若い人が農業に挑戦できるよう、応援していただけるとありがたいです」と再出発に向けて協力を求めている。
写真上(クリックで拡大)=火災前後に苗を植えた田んぼで稲刈りを始めている。安菜さんが操作する(8月31日、上豊富地区で)
写真下(クリックで拡大)=CFに挑戦中の貴之さんと安菜さん









