地域医療を支えて43年 川口診療所、31日に閉院

2026年08月31日 のニュース

 43年間、地域医療を担ってきた公設民営の川口診療所=福知山市野花=が、31日をもって閉院する。当初から住民の健康をみてきた医師の西村茂さん(85)は、「閉院を惜しんでくれる人がいるので、地域医療に少しは貢献できたのかなと思う」と笑顔を見せ、仲間として働いてきた看護師、事務員にも感謝する。

 同診療所は1983年8月、市直営診療所として開設。2005年4月から公設民営診療所となった。

 神戸大学の関連病院で勤務していた40代の西村さんは、塩見精太郎市長時代に要請を受けて、完成した同診療所を視察。市北部の周辺地区は長い間、いわゆる「無医村」地区で、自身も診療所近隣の下小田出身ということもあり、「放ってはおけない」とUターンを決意した。

 診療科目は内科、小児科、放射線科だが、来院する患者のあらゆる症状を診察。風邪などの初期症状から、がんの早期発見にも尽力してきた。また学校医として子どもたちの健康も見守ってきた。

 診療所の運営の一方で、世間話を交えての診察を通じ、興味を持ったのが「福知山弁」。ある患者が体の具合を表す表現として「どへーんとくるんです」という言葉がとても印象に残ったことをきっかけに、約250語を収録した「福知山の方言」という冊子を作成した。この冊子は市立図書館中央館で閲覧できる。

 また、次男が障害がある関係で、福知山地域障害児学習会という団体を立ち上げ、ボランティアの力を借りながら、長期休暇期間中の障害児の居場所づくりを確保する活動を続けてきた。

 西村さんは高齢などを理由に約1年前に閉院を決意。「地域のみなさんに支えていただき、感謝しています。切れ目なく医療を継続できれば良かったのですが…。次の医師が見つかることを期待しています」と話している。

 市は後任の医師について関係機関などと協議、調整を進めている。

 近くにある上川口保育園の園医も務めていて、塩見徳哉園長は「2011年からお世話になっていて、感染症予防対策の研修会の講師としてお話してもらいました。歩いて行ける距離なので、園児たちの急な病気やけがも診てもらい、非常に助かりました」と感謝していた。

写真(クリックで拡大)=長年、地域医療に貢献してきた西村医師

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