戦争はあってはならない 三和町大原小林さん戦時の経験と平和を語る

2026年07月23日 のニュース

 京都府福知山市三和町大原の大原神社で20日、小学生の頃に戦争を経験した地元の小林英夫さん(92)が当時の体験を語る講話があった。子どもから大人まで30人が参加し、出征兵士を送り出す会の様子、厳しい食糧事情などの実体験に耳を傾けた。ちっちゃな平和ミュージアム運営委員会主催。市教委、両丹日日新聞社など後援。

 講話は、同委員会が18日から31日まで福知山、綾部両市で展開している戦争と平和を学ぶプログラム「平和のピースをつないで未来へ」の一環。同神社の絵馬殿で開かれ、小林さんは今も強く記憶に残る小学生時代の出来事を語った。

 なかでも印象深い出来事として挙げたのが、地域の男性に召集令状が届き、大原神社で出征壮行会が開かれた日のこと。「小学生だった私はここに立っていました」と当時、立っていた場所を指さし、「兵隊さんは『お国のために命をささげて頑張ってきます』と何度も繰り返していました。その時、奥様がそっと静かにその場を離れ、手洗い場で何度も何度も顔を洗っていた姿が忘れられません。いま思うと、人前では涙を見せまいとしつつも、あふれる涙が止められなかったのでしょう」と振り返った。

 戦争末期の暮らしについては、「『滅私奉公』を合言葉に耐える毎日でした。とにかく空腹で、道路脇を耕してサツマイモや大豆を植え、日曜日の朝は夢中でドングリを拾いました。冬は手足が真っ赤になるほど寒く、家に帰って急いで火で温めると、飛び上がるほど痛かったことを覚えています」と話した。

 このほか、米軍の爆撃機「B29」が初めて上空を飛んだ際には恐怖で震えが止まらなかったこと、終戦の日に全校児童が登校し、教頭が涙ながらに「日本が負けた」と告げたことなども紹介した。

 講話の終わりに、小林さんは「毎日おいしく食事ができ、安心して眠れることは、決して当たり前ではありませんでした。このような経験をこれからを生きる人たちにはしてほしくありません。戦争は絶対にあってはならない。何があっても平和な時代を守り続けなければなりません」と力を込めて訴えた。

 熱心にメモを取りながら聞いていた日新中2年の生徒は「小学生までもが食べ物を育てなければならなかったことなど、実際に体験した人の話を聞いて戦争の恐ろしさを改めて感じました。だけど知ることができてよかったです。いま普通の生活が送れていることに感謝したい」と話していた。

写真(クリックで拡大)=小学生の頃の記憶を語る小林さん(左)

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