毎週木曜は車庫が笑顔のサロン 上野卓球カフェで70代~90代いきいき
2026年07月09日 のニュース
■上六人部地区の井本さん夫妻宅■
毎週木曜日の午前中、民家の車庫から、卓球や卓球バレーの球を打つ甲高い音が響く。それに加え、「ワハハハハ」「○〇さん、サーブやで~」「うわー」「お茶飲みなよ」といった70代から90代までの人たちのにぎやかな声も。いきいきサロン活動の場だが、学校のクラブ活動のような活気と熱気に包まれている。
活動場所は、福知山市上野(上六人部地区)にあり、名称は「上野卓球カフェ」。60代だった井本和美さん、久美子さん夫妻が、2015年5月に自宅車庫を開放し、スタートさせた。
■廃校の卓球台譲り受けて■
井本さん夫妻は2001年ごろ、市街地から夫の和美さんの実家の上野に引っ越し、妻の久美子さんは民生児童委員を1期務めた。「ここでは子育てをしていないのでママ友もいなくて、地元のことを知ろうと、引き受けました」と久美子さん。それまではボランティアや福祉ということに関心はなかったが、ボランティア団体に入ったり、他の地区のサロン活動を知るうち、「上野でも集まってお茶を飲みながら、何かできるのでは」と考えるようになり、構想を練っていた。
そうしたところ、和美さんが、綾部市内の廃校になった小学校で使われていた卓球台2台を知り合いから譲り受け、「卓球なら下手でも初心者でも楽しめるのでは」と思い、自宅車庫を会場にサロン活動することを決めた。「卓球台に背中を押してもらいました」という久美子さんが代表を務め、スタートした。
さっそく案内チラシを作成し、地域の人に呼びかけた。多い時には15人が参加していた。
■足腰が衰え始め、卓球バレーも追加■
和美さんは「のんびりと卓球ができたら」という感覚でいたが、参加する人たちは「始めたころは、みなさん70代ぐらいと“若い”ので、ガンガンされるんですよ」と、当初の思惑とは違ったと笑う。1台だけでは待ち時間が長くなるため、2台とも使うようにした。今ではコンパクトサイズの卓球台も活躍している。
ただ、年齢を重ねるうちに足腰が衰えてくる参加者もいて、座った状態で誰でもでき、ルールがシンプルな卓球バレーもメニューに加え、午前10時からは卓球、11時からは卓球バレーと時間を区切ることにしている。
卓球カフェという名の通り、机に茶やコーヒー、菓子類が並ぶ。しかし、おしゃべりをしながらゆっくり卓球を楽しむという風情ではなく、ほとんどの人がダブルスで打ち合っている。運動しやすい服を着た参加者も目立ち、実年齢を聞いて驚くほど元気。
「卓球バレーになると、ギャー、ギャー言いながらするんですよ」と和美さん。年季の入った卓球台には表面のめくれた箇所もあり、球が当たると思わぬ方向へ跳ね、参加者の顔の近くをかすめることも。そのたびに笑い声が上がり、大いに盛り上がる。
同カフェは、市社会福祉協議会のふれあいいきいきサロンの活動団体として登録し、支援を受けている。
■定期的に通う8人楽しく声を弾ませ■
現在定期的に通うのは8人。家族に送迎してもらって参加している91歳の女性は、卓球バレーに夢中。家族は「本人も楽しみだと言っていて、とても喜んでいます」と話す。84歳の女性は「ここに来たとたん元気になり、笑顔になります」と、ほとんど休みなしで卓球台に向かう。
昨年12月に富山県から移住した片岡みどりさん(76)は、移住前から時々上野を訪れていて、知り合った人から誘われて参加するように。「声を出すことはいいと思う。ここで知り合った人もいて楽しいです」と声を弾ませていた。
久美子さんは「みなさん、年齢を重ねても反射神経が素晴らしいです」と目を丸くし、「みなさんの協力で続けさせてもらい、私も楽しんでいます。元気の源です」といい、和美さんは「少しずつ人数が減ってきているので、上野の人はだれでもいいので来てもらったらうれしい」と話している。
かつて子どもたちのにぎやかな声を聞いていた卓球台は今、高齢者の元気な声に包まれている。
写真上(クリックで拡大)=毎週木曜日に集まる参加者
写真中(クリックで拡大)=台を全員で囲んで卓球バレー
写真下(クリックで拡大)=カフェコーナーで一服








