要配慮者のホテル避難検証 福知山市が宿泊型訓練 全国モデルケースめざす
2026年07月08日 のニュース
災害時に配慮が必要な人を対象に福知山市は4、5両日、西羽合のホテルつかさ福知山で宿泊型避難訓練に取り組んだ。身体、精神、知的などの障害のある人や支援者、家族の8組15人が参加。要配慮者がホテルや旅館を避難先として利用する仕組みを、実際の宿泊を通じて検証する取り組みは全国でも先進的で、実践を通じて当事者目線の課題点を洗い出した。
同訓練は、内閣府のホテル避難に関するモデル事業に市が応募し、採択を受けて行ったもの。市は災害時に誰一人取り残さない避難環境づくりを進めており、プライバシーや生活環境を確保できるホテルを避難先の選択肢に加える取り組みとして実施した。
また市は2025年11月に市内のホテル・旅館関係団体とホテル避難に関する協定を締結しており、受け入れを前提としたより実践的な検証となった。
ホテル避難については国がガイドラインを定めており、まず避難所に避難した後、避難所での生活が難しい要配慮者が自治体に申請し、ホテルを避難先として利用できるようになる。
訓練には事前募集で集まった要配慮者のほか、災害復興や防災を研究する福知山公立大学の大門大朗准教授、追手門学院大学の石塚裕子教授、市職員らが参加した。
参加者は避難所からホテルへ移った想定で、大広間に集まり、利用申請書の記入を体験したほか、避難時の不安や課題を紙に書き出して司会者に提出する形で共有。「大声を出してしまうこともあるので、避難所では恥ずかしい」「視覚障害で方向が分かるか心配」といった意見が出た。
このあと、持参した弁当やおにぎり、アルファ化米の非常食で夕食をとり、非常用持ち出し品や避難経路の確認をしてから各部屋で宿泊。翌日は市の保健師が健康確認をし、全体で振り返りをしてから解散した。参加者からは「集団生活が難しく、車中泊避難を考えていたが、ホテル避難が実現すれば安心できてありがたい」といった声があった。
市とホテル間で、利用者名簿の受け渡し手順などの連携方法も確認した。市は今年度中をめどに、独自の「ホテル避難に関するマニュアル」の策定を行い、全国の自治体のモデルケースとなることをめざす。
市危機管理室は「さまざまな障害のある人の意見がもらえ、非常に参考になりました。避難の仕方がさらに広がるようにしっかりとまとめ、こうした避難を必要としている人がいることを伝えていきたい」とした。
写真(クリックで拡大)=避難時の心配事などを共有した









