マイクロ技術でランプ製作 「組子」をアルミで再現し万博出展 三和町のコアマシナリー

2025年05月27日 のニュース

 京都府福知山市三和町芦渕、精密機械部品製造業のコアマシナリー(岡本真樹社長)は、大阪市此花区夢洲で開催中の大阪・関西万博に、伝統工芸と先端技術を融合させた「アルミニウム組子細工のランプ」を出展する。京丹後市の企業との共同作品で、7月21日~27日に展示。試作品はすでに完成し、最終調整の段階に入っている。

 府北部企業の魅力発信をめざす京都北都信用金庫が、関西パビリオンの京都ゾーンに設ける展示スペースに並ぶ予定。板金加工業でレジン(樹脂)製品の製造も行う京丹後市の芳賀製作所(芳賀康典社長)とタッグを組んで進めている。

 コアマシナリーが作るのは、釘を使用せず幾何学的な文様に組み付ける木工技術「組子細工」を、アルミニウム合金で再現したランプシェード。芳賀製作所は、裂いた黒谷和紙を混ぜ込むなどしたレジンで、ランプの台座と照明の光を柔らげるプレートを製作する。

 ランプは、直径28センチ、高さ40センチの正八角柱。精密切削と表面の耐摩耗性、耐食性を高める自社のコア技術を活用し、マイクロメートル(1千分の1ミリメートル)単位で切削した大小906個のアルミパーツを使用する。トンカチではめ合わせて麻の葉文様にし、中央に設置した照明をつけると、壁や天井に文様が映し出される。

 構想から試作の完成までに約5カ月を要した。微調整を繰り返し、ようやく組み立てられるようになったといい、6月中旬に完成品ができる予定。岡本社長(43)は「どうしても部品にひずみが生まれ、その調整が難しかった。木材と違って、しなってくれないので大変でした」と振り返る。

 来場者に対しては、「先端工芸品の美しさに触れるとともに、切削加工技術の精密さも感じてほしい。またランプは、主に端材を使用して作っており、資源を大切にものづくりをしていることも知ってもらえればうれしい。展示後は製品化も検討しています」と話している。

写真上(クリックで拡大)=壁に麻の葉文様を映し出すランプ
写真下(クリックで拡大)=試作品を持つ岡本社長

京都北都信用金庫
大嶋カーサービス

 

「きょうで満一歳」お申し込み

24時間アクセスランキング

著作権について

このホームページに使用している記事、写真、図版はすべて株式会社両丹日日新聞社、もしくは情報提供者が著作権を有しています。
全部または一部を原文もしくは加工して利用される場合は、商用、非商用の別、また媒体を問わず、必ず事前に両丹日日新聞社へご連絡下さい。