骨髄バンクと献血を普及・啓発するブース、万博に出展 楽しく学ぶ体験型ゲームも

2025年05月23日 のニュース

28日から

 福知山市は28日から、大阪市此花区夢洲で開催中の大阪・関西万博会場で、「次世代につなげる献血と骨髄バンクの支援の輪」をテーマにしたブースを出展する。献血や骨髄バンクの若年層への普及・啓発が課題となる中、福知山公立大学と共同開発した体験型ゲームを展示し、6月1日まで来場者に体験してもらう。

 福知山市在住の藤岡八重子さんは、娘の急性リンパ性白血病再発をきっかけに、日本骨髄バンク設立に大きく貢献した。これを踏まえ、市は2020年度に全国初の「献血と骨髄バンクの支援を広げる都市宣言」を発表。命をつなぐ支援の輪を国内外に広げようと、藤岡さんが理事長を務めるNPO法人「献血と骨髄バンクの和を広げる会」、福知山東ライオンズクラブなど計7団体の協力を得て、今回の出展が実現した。

プログラミング担当公立大生・石田さん

 体験型ゲーム「血液ファクトリー」は、献血で集められた血液がどのように医療現場で使われる血液製剤になるのかを、楽しく学べる内容。画面上部から落ちてくる白血球をビーカーでキャッチするゲームや、体内時計の感覚で時間を当てるチャレンジなど、3ステージ構成となっている。

 ゲームの内容は、市が京都府赤十字血液センターと相談して決定し、福知山公立大学情報学部3年の石田京造さんがプログラミングを担当した。石田さんは「あとから変更があっても対応できるように設計し、できるだけきれいにプログラムを書きました」と説明。「このような大きな舞台に携われるとは思っていなかったので、うれしいです」と話す。

 ブースではこのほか、幅6メートル・高さ2・7メートルの大型パネルを展示し、都市宣言をアピールする。骨髄バンクを介した移植の割合は希望者の約2人に1人にとどまること、白血球の型が一致する確率は数百から数万分の1であることを紹介し、「一人でも多くのドナー登録が必要です」と呼びかけている。

 藤岡さんは「骨髄バンクは18歳から54歳までがドナー登録可能で、一度登録するとデータが残るため、若い人の参加はとても意義深い。本当に世界が一つにならなければ、全ての患者さんは救えません。福知山から世界へ、この取り組みがさらに広がってほしい」と話す。

 出展は、万博会場内で開催される「地方創生SDGsフェス」(内閣府地方創生推進室主催)の一環。同フェスは、人気ゲーム「桃太郎電鉄」をモチーフにした展示企画で、全国各地の特色を生かした取り組みを、駅に見立てたブースで紹介する。福知山市を含め、全国51自治体が38ブースを展開。ブースは予約不要で、入場券があれば誰でも参加できる。

 万博出展後は、市内で実施される献血推進月間や骨髄バンク推進月間、市民憲章推進大会などでも展示を予定している。

 大橋一夫市長は「都市宣言自治体として、オール福知山で本市の取り組みを国内外に発信するとともに、市民への理解もさらに深めていきたい」と話している。

写真(クリックで拡大)=ゲームを映すモニターと石田さん(前列左)、藤岡さん(前列右)、大橋市長(後列右)ら

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