こうの史代さん漫画家生活30周年記念の展示会 来月8日から市美術館で

2025年05月20日 のニュース

 漫画家生活30周年を迎えたこうの史代さん(56)=福知山市内在住=の展示会が、6月8日から内記一丁目の市佐藤太清記念美術館で開かれる。デビューから現在までを網羅した初めての大規模原画展で、大ヒットした「この世界の片隅に」など、原画の数は計500枚以上。見どころたっぷりの内容になる。7月27日まで。市主催。

 広島市生まれのこうのさんは、1995年に「街角花だより」で漫画家デビュー。その後、数々の連載を重ね、原爆の被害とその後に続く“終わっていない”日々を紡いだ「夕凪の街 桜の国」で、第9回手塚治虫文化賞新生賞などを受賞し、映画、ドラマ化もされて話題になった。

 広島の軍都・呉の戦災を日常の低い視点から力強く描いた「この世界の片隅に」は、第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。アニメ映画化され、ロングラン大ヒットを記録した。

 また最新作「空色心経」は、福知山市が舞台。由良川の河川敷、市民ならピンとくる市内の大型スーパーなどが登場する。般若心経とコロナ禍の日々を重ね合わせ、2色の線が絡み合う美しい作品に仕上がっている。

 「こうの史代展~鳥がとび、ウサギもはねて、花ゆれて、走ってこけて、長い道のり」と題した展示会では、これらの作品原画のほか、貴重なコンテやメモ、スケッチブックも並ぶ。制作風景を記録した映像も流す予定で、こうのさんの画業のすべてが分かる内容になる。

 こうのさんは「友人からの手紙のように、漫画を読んでくれるといいなって、常々思いながら描いています。今回の展示会も、そんな感じで見てもらえるといいし、漫画を描いてみたくなったと思ってもらえるとうれしいです」と話している。

 会期中、前期と後期で展示替えをする。美術館の開館時間は、午前9時から午後5時(入館は4時30分)まで。毎週火曜日休館。会期中は通常と入館料が異なり、大人720円、子ども350円となる。

 同展は、5月2日~25日に石川県の金沢21世紀美術館で始まっていて、福知山で開催したあとは、全国で巡回展示をする。

ライブペインティング企画も

 同展との連動企画として、こうのさんによるライブペインティング(市主催)をする。福知山城天守閣2階で6月15、16両日午前11時ごろから午後5時ごろまで。予約不要で見学できるが、天守閣の入館料がいる。

 全国各地を巡回する「こうの史代展」の中で、1枚の大きな絵を徐々に完成させていくもので、21世紀美術館で始まり、福知山城では続きの工程をする。

 

写真上(クリックで拡大)=来館を呼びかけるこうのさん
写真中(クリックで拡大)=《この世界の片隅に》上巻総扉、2006年(C)こうの史代/コアミックス
写真下(クリックで拡大)=《空色心経》カバーイラスト、2025年(C)こうの史代/朝日新聞出版

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