毛原の棚田で能楽奉納、五穀豊穣を祈る 元伊勢内宮の御田植祭

2025年05月14日 のニュース

 600枚の棚田が広がる京都府福知山市大江町毛原で13日、元伊勢内宮皇大神社の御田植祭が営まれた。豊作を祈る神事で、人間国宝らが能楽を奉納し、地元の人たちが棚田で田植えをして五穀豊穣を願った。

 人間国宝の能楽大倉流小鼓方・大倉源次郎さん(67)と重要無形文化財総合認定保持者の観世流シテ方・林喜右衛門さん(45)が発起人を務める「元伊勢能実行委員会」が、農業と芸能が密接だった古式の営みを伝えるため、2年前に始めた。

 今年は実行委メンバーや地元住民ら約30人が出席し、内宮神社の後藤公一宮司が祭主となり執り行った。

 能の奉納は大倉さんと林さんが、平和への願いをこめた「高砂」「養老」と「猩々」の一節を披露。林さんが謡い、大倉さんが鼓を打つ音が周囲の山々に響き渡った。

 田植えの儀式は、地元の櫻井一好さん(73)と早乙女2人が斎田に入り、稲の早苗を丁寧に植えた。

 大倉さんは「お米をしっかりとみんなで作っていくことを忘れてはいけないので、日々の感謝を忘れないように、能楽堂だけでなく、こういった場所でもやらせていただきました」と述べた。

 林さんは「エンターテインメントの原点に立ち戻って、土の上で舞った昔の役者の役割というものを忘れないようにする必要がありますね」と話していた。

 秋には同神社で収穫を祝う奉納祭を開く。

写真上(クリックで拡大)=斎田のそばで能を奉納する2人
写真下(クリックで拡大)=斎田で田植えをする早乙女ら

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