市の新年度予算案を見る(下) 持続可能なまちをめざし、医療福祉、子育てを充実

2025年03月07日 のニュース

 京都府福知山市は、災害拠点病院の指定要件が一部改正されたことに対応するため、市立福知山市民病院の整備を進める。非常時に使いやすい自家発電機や3日分程度の燃料や水の確保といった要件を満たす必要があり、それらの設備を備えた新棟を病院の北側に建設する。また、スタッフの更衣室や看護学校の実習室などがある北別館が老朽化しており、今年度から現在の北別館の代わりとなる新棟を病院の南側に建てる。

 南側の新棟建設は今年度と来年度で取り組み、全体の工事費は6億2150万円の予定。今年度は2億4860万円を計上している。北側の新棟建設は再来年度から着手し、発電設備などを備える予定。両棟とも、診察室や病室はない。

 医療関連ではこのほか、がん治療を受けながら日常生活を送る人への支援にも、193万円の予算を計上した。治療に伴う脱毛に対するウイッグ、乳房を切除した人への人工乳房や補整下着にかかる費用と、若年在宅療養者に対し、在宅サービス費の一部を補助する。

オレンジのまちづくりを周知

 市は2019年度から、高齢者福祉、障害者福祉、児童福祉の3分野で、オレンジ色をシンボルにした「オレンジのまちづくり」に取り組んでおり、一体的な事業として、周知や啓発にさらに力を入れる。関連事業全体の合計予算額は5713万8千円。

 地域包括ケア推進課、高齢者福祉課、障害者福祉課、子ども政策室が、分野を横断して見守りや支え合いの取り組みを進める。認知症の家族を介護している人の集まりの場を広げることや、ヤングケアラーを支援するコーディネーターの配置などに取り組む。

 また、医療、介護、福祉の専門職や多くの市民、企業、団体とつながり、行政の枠を超えたイベントの開催なども企画している。

 関連事業として、市は市民とともにつくった「市ベビーファースト宣言」を4月のお城まつりの会場で出す予定にしており、子連れでも来店しやすいような子育てに優しい店舗や施設、安心して働ける職場づくり、地域で集まる機会の増加などを促進するための周知、啓発に努める。197万9千円を計上した。

子ども取り巻く環境の充実も

 学校へ行きにくい子どもが増加していることを受け、23年に末広町の福知堂ビルに開設した多様な学びの場「SIR0らぼ」を、個別と集団に分けて対応できるように、別の既存施設へと移転する。JR福知山駅北側エリアで候補先を検討しており、新年度の早い段階で移転して部屋数を増やすという。子どもたち自身が内容を決めて取り組む集団活動の充実も図る。627万円を組んだ。

 別室登校を希望する子どもが通うアナザークラスは、これまでに市立小中学校5校で開設しているが、さらに1校で増やす。市立小中学校に対しては、修学旅行費の全額補助も7069万円で予算計上した。

 

写真(クリックで拡大)=市民病院の本館南に建設される新棟のイメージ

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