高齢者を住民が助ける「ささえあい活動」 4年経て見えた課題、今後への模索 参加住民が意見交換

2025年03月07日 のニュース

 京都府福知山市の成仁地区福祉推進協議会(大野森志会長)は1日、暮らしの中のちょっとした困り事を抱える地区内の高齢者を住民が助ける「ささえあい活動」の、この一年を振り返る連絡会を平野町の集会所で開いた。取り組みを始めて4年が経つなか、活動を支える住民約20人が参加し、作業負荷が大きい依頼への対応についての苦悩など、赤裸々に意見を交わした。

 2021年4月に発足した有償ボランティアの仕組みで、草引きや電球交換、雪かきなどの依頼を、1時間以内500円で請け負っている。

 初めに、昨年3月から今年2月までの実績報告があり、依頼数44件、協力者延べ74人、依頼内容はごみ出しと買い物代行がそれぞれ10件以上で全体の半数近くを占めたことなどが報告され、意見交換の時間に移った。

写真上(クリックで拡大)=活動に参加する住民たちが意見を交わした

写真下(クリックで拡大)=庭の手入れの活動風景

「ちょっとした」意識のズレが…

 意見交換では全員が発言する時間を設け、活動の中での気付きを発表した。中でも多く出たのが、協力者の負担が大きい依頼について。高所や広い範囲の草木を剪定する「庭木の手入れ」、米袋や2リットルペットボトルなど重いものを集中的に頼む「買い物代行」など、「ちょっとした困り事」の範囲を超えていると感じる依頼に対し、改善が必要だと訴えた。

 さらに、「困り事ではなく『便利だから』という理由で頼むのは本来の目的から外れている」「専用の機材や消耗品が必要になる作業では、これらを踏まえた価格設定をすべき」「依頼する側と受ける側の認識にズレがあると思うので、受けられる依頼と断る依頼の線引きを明確にすべき」「スーパーの宅配サービス、ごみの引き取り業者などを教えてあげるだけでも助けになるのでは」など、現場からの声が続いた。

 全員の思いは、活動を続けていきたいという点で一致している。意見交換は活発に行われ、連絡会の終わりには、依頼を受ける際の見極めや対応方法を検討していくことを確認した。

 大野会長(80)は「始めた当初は、依頼があると張り切って何でも受けていましたが、5年目を迎えるにあたり、活動の方針を見直す転換期が来たのだと思います」とし、「困った人を助けたいという素晴らしい気持ちを持って参加されている方々が、活動を継続していけるよう、今後も改善を重ねていきたい」と話していた。

写真上(クリックで拡大)=活動に参加する住民たちが意見を交わした
写真下(クリックで拡大)=庭の手入れの活動風景

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