23年度決算は過去2番目の規模 福知山市9億円の黒字

2024年09月04日 のニュース

 京都府福知山市は、2023年度の決算概要を発表した。一般会計は歳入、歳出とも過去2番目の大型決算で、昨年8月の台風7号の災害対応、原油価格や物価高騰対策、つつじが丘・向野団地建て替えや三和荘整備、人件費の増加などが影響した。歳入から歳出と翌年度繰越金を引いた実質収支は9億円(以下原則1千万円未満切り捨てで表記)の黒字だった。

 財政の弾力性を示す経常収支比率は93・7%(前年度比0・9ポイント増)、借金の大きさを示す実質公債費率は9・8%(同0・2ポイント増)でやや悪化したものの、将来負担比率は5・6ポイント改善の28・2%となった。

■歳入:市税の伸びは堅調■

 歳入は511億7千万円で前年度比7・6%増。前年度に続き、市税が全税目で増収となり、個人市民税は給与所得の伸びで増加し、法人市民税は製造業を中心に増えた。

 地方交付税は、福知山公立大学の学生数増加などで交付の基準となる財政需要額が増えたほか、台風7号災害関連で特別交付税が多くなり、前年度比3・2%増の121億2千万円となった。地方譲与税・府税交付金などは前年度比1・9%増の30億5千万円。

 繰入金は27億2千万円で、前年度比37%増。図書館の電子書籍貸し出しサービス、小学校水泳指導の外部委託、三和荘整備などで、ふるさと納税基金や地域振興基金などから繰り入れをした。

 借金にあたる市債は前年度比69・8%増の55億9千万円。つつじが丘・向野団地の建て替え、三和荘整備、地域公民館の大規模改修などで大きく増加した。

■歳出:大型建設事業重なる■

 歳出は499億1千万円で前年度比9%増。大型建設事業が重なったことによる投資的経費、会計年度任用職員や常勤職員の人件費などが増えた。

 人件費、扶助費、公債費を合わせた義務的経費は232億8千万円で前年度比1・6%増加した。人件費の増加は会計年度任用職員の処遇改善、人事院勧告を受けた職員給与の増加によるもの。扶助費は国の住民税非課税世帯等臨時特別給付金事業などで増えた。

 投資的経費は92億1千万円で前年度比52・4%増。三和荘整備、台風7号災害の復旧などに加え、消防救急デジタル無線の更新、日新、六人部両地域公民館の改修などが重なった。

■基金残高は8・8億円減■

 貯金にあたる4基金残高は99億6千万円。一般財源の減額補正分や普通交付税の一部を積み立てたものの、原油価格・物価高騰対策で財政調整基金4億8千万円、地方債の繰り上げ償還で減債基金5億円を取り崩すなどし、前年度から8億8千万円減った。

 特に、普通交付税の合併特例措置の縮減に備え、2012年度から最大11億7千万円を積み立てていた合併算定替逓減対策基金は、19年度から計画的な取り崩しを行っており、23年度は一般財源に充てるため3億3千万円を取り崩した。24年度には最後の取り崩しを行う予定。

 一般、特別、企業各会計を合わせた全市債残高は837億1千万円で前年度より1億円減ったが、交付税補填を除いた実質的な市債残高は増加しており、市民一人あたりの実質負担分は1万2千円増の50万7千円の計算になる。 

■企業会計は黒字続く■

 企業会計は病院、水道、下水道いずれも黒字となった。市立福知山市民病院は新型コロナ関連の補助金と患者が減少。がんや血管内の治療といった高度医療や手術などで診療単価が上昇して診療収入が伸びたものの、純利益は前年度より1億円下がった。大江分院は前年度とほぼ同額の診療収入となっている。

 9特別会計は3会計が黒字、2会計が赤字、4会計が収支差し引きゼロとなった。

 決算認定案は9日に再開する市議会9月定例会に上程する。

 

写真(クリックで拡大)=市営住宅つつじが丘団地

このエントリーをはてなブックマークに追加
京都北都信用金庫
大嶋カーサービス

 

「きょうで満一歳」お申し込み

24時間アクセスランキング

著作権について

このホームページに使用している記事、写真、図版はすべて株式会社両丹日日新聞社、もしくは情報提供者が著作権を有しています。
全部または一部を原文もしくは加工して利用される場合は、商用、非商用の別、また媒体を問わず、必ず事前に両丹日日新聞社へご連絡下さい。