災害に強い豊かな森づくりで日本防火・防災協会長賞受ける 大堀区自治会

2025年03月05日 のニュース

 度重なる豪雨災害をきっかけに、災害に強い森づくりや防災体制の強化、中学生と連携した植樹などに取り組んでいる京都府福知山市の15自治会の連合自治会「大堀区自治会」(河谷寅夫会長)が、第29回防災まちづくり大賞(総務省消防庁、日本防火・防災協会共催)の日本防火・防災協会長賞を受賞した。

 2014年と18年の豪雨で、同自治会が管理する荒木・森垣の森林(通称・堀山)が、過去にないほどの甚大な被害を受けた。このため、京都府は治山事業として、治山ダムの設置などを実施。15年度から23年度までに完成した。この際、山の地権者から、住民の命と財産を守るため無償で土地の提供を受けたり、ヒノキを伐採するなどの協力が得られたという。

 同まちづくり大賞は、防災・減災・住宅防火に関する優れた取り組みなどを表彰し、強い安全なまちづくりを推進するため、1996年に創設された。第29回大賞の日本防火・防災協会長賞には、同自治会を含む全国の12団体が選ばれた。

住民の意識向上へ取り組み続ける

 ハード対策は行政がする一方、同自治会は不法投棄のごみ拾いや林道の整備などを実施。構成する自治会では自主防災組織を結成し、避難訓練、災害時の高齢者の移送訓練をするなど、防災体制の強化に取り組むことで住民の防災意識が向上した。

 さらに地元の桃映中学校と連携し、森垣にある山林で生徒と一緒にコナラの苗木を植樹。2020年から毎年200本ずつ植え、昨年で計1千本に達した。生徒が山へ目を向けるきっかけになっているほか、地域コミュニティーの強化にもつながっている。

 河谷会長(71)、会計の古口文英さん(75)、庶務部長の外賀芳則さん(71)はこのほど市庁舎を訪れ、大橋一夫市長に受賞を報告。大橋市長は「大堀区は土砂災害や水害などいろんな種類の災害を受けてこられた。今回の取り組みは災害を起こさないように山の保全管理をしていこうとする事前防災の取り組みとして大きな意義がある」とあいさつした。

 河谷会長は「山が荒れると災害も甚大になるため、循環型林業を取り入れるなど災害に強い豊かな森づくりをしています。先人が守ってこられた山林を若い世代に引き継いでいけたら」と話していた。

写真上(クリックで拡大)=受賞報告をした河谷会長(左から2人目)ら
写真下(クリックで拡大)=植林する桃映中の生徒たち

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