住職の保護受け、大興寺でモリアオガエルが産卵
2024年05月13日 のニュース
「モリアオ寺」として知られる京都府福知山市正明寺、臨済宗南禅寺派・大興寺(有賀祖道住職)で13日、モリアオガエルの産卵が始まった。本堂そばにある池の木の枝に、メレンゲ状の卵塊が作られ、今年も新たな命が育まれていく。
寺に隣接する森にモリアオガエルが生息し、毎年この時期から産卵にやってくるため、有賀住職(63)は1988年から保護、観察に取り組んでいる。
今季初めての卵塊は、有賀住職が13日午前6時30分ごろに見つけた。前日夕方から雨が降り、高い湿度など産卵の条件がそろったことから、池にせり出した枝の端に直径10センチほどの卵塊を産み付けた。
中には300~500個の卵があり、1週間ほどで孵化してオタマジャクシとなり、池へと落ちる。それから40日ほど経つと、カエルになるという。
有賀住職は「福知山駅からここまで3キロ。市街地に近い場所での生息は珍しく、保護を続けています。今年も戻ってきてくれてうれしい。可能な限り、観察を続けていきたい」と話している。
産卵は梅雨に入る6月から本格化し、合計20個ほどの卵塊が産み付けられる見通し。
写真(クリックで拡大)=池にせり出した枝に卵塊が産み付けられた(きょう午前9時30分ごろ)