今度は果樹園にカメムシ? 府内全域に注意報
2024年05月13日 のニュース
昨年秋から続いたカメムシの大量発生。家や車の中に侵入してくる厄介者たちに各地で悲鳴がわきおこったが、今度は果樹カメムシ類による桃、梨などへの被害が懸念されている。京都府病害虫防除所が、5月に入って府内全域に注意報を出した。
防除所によると、果樹カメムシ類のうち、チャバネアオカメムシの越冬量が、福知山市を含む丹波地方で多く、府内3地点で直近1カ月に実施した調査でも、誘殺数が平年の値を大きく上回っているという。「カメムシ類は、夜温が高く風の弱い日の日没頃に多く飛来する」とも解説している。
桃や梨などがカメムシに吸われると実にくぼみができたり、茶色くなったりして、商品として出荷できなくなる。このため、発生状況をこまめに観察し、すぐ防除することや、早めに袋掛けをすることなどを呼びかけている。
■山崎のモモ農家は袋掛けを前倒し■
福知山市内の桃の産地、山崎地区では、被害がないか注意深く確認しながら、生産農家が摘果作業を進めている。
「白鳳」「白桃」など5種類、約250本を栽培する山崎の農家2軒のうち、田辺良さん(51)が管理する桃園では、良さんの母の忍さん(81)を中心に、カメムシに注意を払いながら、5月初旬から摘果作業をしている。
カメムシによる被害を見越し、例年より多めに実を残しているといい、カメムシに効く薬剤も散布。例年行う6月初旬の袋掛けも、5月中に済ませる計画を立てるなど、対策に余念がない。
忍さんは「30年ほど前に、カメムシによる大きな被害があり、今年は二の舞にならないよう、万全で早めの対応をしています。現在は順調に育っているので、被害を最小限に抑えて、しっかり収穫量を確保したい」と話している。
写真(クリックで拡大)=被害状況を確認しながら摘果作業をしている