地域の農業を守る活動強化 私市の「サスガ」が法人化へ
2024年04月15日 のニュース
「地元の農地と農業を守ろう」と、京都府福知山市私市の住民有志で作り、朝市などを運営している任意団体「農事組合SASUGA(さすが)」がこのほど、一般社団法人に移行し、名称を「Farm SASUGA(ファームサスガ」に改称して、新たなスタートを切った。
耕作放棄地が増える現状を心配し、農地を守るために、有志約30人で、2021年4月に農事組合を設立。地元の耕作放棄地を所有者から借り受け、米栽培などをし、販売するなどしてきた。同年10月からは、旧佐賀小学校(足立音衛門里山ファクトリー)そばにある建物で土、日曜に開く朝市で野菜販売を続けている。
農業の担い手育成にも力を入れていて、田植えに慣れているベテランらが、若手に田植え機の操作方法を教えるなどしてきた。組合で理事長を務めていた稗田壽一さん(77)によると、現在では委託や耕作されていなかった約9ヘクタールの水田を引き受け、コシヒカリを栽培。昨年は30キロ袋で960袋の収量があり、農協や企業などに販売した。
社団法人化したことで、社会的信用度が上がることなどに期待。任意団体の時には対象から外れた行政の補助金などが受けられれば、農業用機械の購入に充てたいとしている。
今後は黒豆、栗などの栽培にも力を入れていきたいという。社員約30人はほとんどが会社勤めをしていて、活動の中心は土、日曜だが、仕事に都合を付けて平日に作業する人がいるほか、農機具の整備に詳しい人、朝市の作業に欠かさず携わる人もいるなど、互いにできないことを補い合いながら事業を展開している。
社団法人の大志万博代表理事(67)は「地域の農地を荒らさず、『仲良く、楽しく、朗らかに』をモットーにすることで、設立の目的につながれば」と話している。
朝市は毎週土、日曜の午前9時から11時まで。
写真(クリックで拡大)=“本社”と呼ぶ私市の事務所と理事ら