雲原にファーストレスポンダー 住民の応急手当組織

2024年03月19日 のニュース

 京都府福知山市の雲原自治会(曽根修自治会長)が、救急隊が現場に到着するまでの間に要請を受けた地元住民が応急手当てなどを行うファーストレスポンダー隊の活動を始めた。発足式を17日に地元公民館で開き、地域で助け合って住民の命を守ろうと団結した。市消防本部によると、市内初の試みという。

 少子高齢化が進む雲原地域は、2月末現在108世帯213人が暮らしていて高齢化率は50%を超える。市消防本部によると、救急車の要請から救急隊が現着するまでの所要時間は2022年の市内平均で約10分だが、市北部に位置する雲原は、最寄りの福知山消防署北分署からも距離があるため、20分ほどかかるという。

 こうした状況が地域課題の雲原自治会に対して、市消防本部が、共助の仕組みとして広げていきたいファーストレスポンダー(いち早く駆け付けて応急手当てを始める人)の導入を打診。仕組みや規約を作るなどして準備が進んできた。

 ファーストレスポンダーの隊員は、地域内8地区それぞれに配置する。普通救命講習3時間、ファーストレスポンダー講習1時間を受講した消防団員やOB、元看護師ら、40代から80代の地元住民20人が務める。

 突発的な体調不良やけがを負った本人(年齢問わず)、家族からの要請を受けて、隊員がAED(自動体外式除細動器)や救急箱の資器材一式を持って出動。いち早く現場に駆け付け、状況を判断して救急車を要請したり、救急車が到着するまでの間、応急手当てを行ったりする。

 発足式で、福知山消防署の川口富生署長は「能登半島地震のような消防本部の力が及ばない大規模な災害が発生した場合においても、地域の自助、共助の中心として、ご活躍いただけるものと考えている」と期待の言葉を述べ、曽根自治会長(71)に隊員証と活動用の感染防止着を手渡した。

 曽根自治会長は「まずは取り組みを住民に理解してもらいたい。公助の前の共助として、住民同士で助け合っていきたい」と気持ちを引き締めた。取り組みの概要と隊員の連絡先をまとめた冊子を全世帯に配布し、周知を図るという。

 

写真(クリックで拡大)=発足に向けて住民が救命講習を受けた(昨年9月)

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