部員1人の福高ラグビー部 井上選手ひたむきに練習

2024年02月28日 のニュース

 京都府北部に、ラグビー部は福知山市土師の府立福知山高校のみ。その福高ラグビー部の部員は現在、井上櫂選手(2年)の1人だけ。できる練習は限られ、喜びや苦労を分かち合える仲間もいない。それでもくじけず、ひたむきに続ける努力が実り、少人数部員校の選手が対象の京都府代表メンバー入りを果たした。

 1999年に創部した福高ラグビー部は、多いときで約50人の部員がいたが、近年は10人前後で推移。井上選手が入部した2022年は8人で15人制チームは組めず、すでに単独では大会に参加できない状態だった。

 さらに当時の3年生が引退すると、部員は半分の4人に。そして昨年6月には、一つ上の先輩3人が抜けたことで、部員は自分だけになった。「この時は、さすがにどうしようかと考えたけど、自分の代で歴史あるラグビー部を消滅させたくない。1人でも部活を続けることに決めました」と振り返る。

 南陵中学校時代は卓球部に所属し、ラグビーは先輩の勧めで高校から始めた。今ではその魅力にどっぷりはまる。継続の決意を固めてからは、さらに練習に明け暮れる日々を送っている。

■周囲の支えに感謝してプレー■

 1人でもできる筋力トレーニングのほか、森田一喜監督(33)ら顧問3人とマネージャーの協力でパス、タックルの練習などにも励む。他の部活動に所属する友人、OBが一緒に練習してくれることもあり、常に感謝の気持ちを忘れず、取り組んでいるという。

 森田監督は「できる限りのサポートはしていますが、仲間の選手がいなくてしんどい部分は大いにあると思います。それでも自分でメニューを考え、しっかり練習を頑張っています」と、高く評価している。

 昨年12月には、府内の複数校との合同チームに加わり、近畿大会の府予選に出場した。

 井上選手は身長167センチ、体重95キロ。小柄ながら力強く、スクラムの最前列で相手と組み合うポジションのプロップで起用され、実力を発揮することができた。

 その活躍ぶりが評価され、合同チームの約40人の中から、23人が選ばれた少人数部員校による府代表のメンバーに選出。3月29日に和歌山県で行われる近畿各府県の代表6チームによる近畿交流大会に出場する。

 現在は大会に向け、毎週末に府南部での合同練習に参加している。実践的な練習ができ、合間には選手同士で雑談するなど、大人数の良さを実感。「新年度に1年生の入部がたくさんあって、一緒にラグビーができる仲間が増えれば」と期待している。

 井上選手は「普段の練習以外にも、合同練習への送迎なども顧問の先生にお世話になっていて、本当に感謝しています。恩返しの意味でも、大会ではベストを尽くし、チームに貢献したい」と意気込んでいる。

 

写真(クリックで拡大)=近畿大会での活躍を誓う井上選手

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