海眼寺の観音堂で改修工事見学会 伝統技法に注目

2023年11月21日 のニュース

 京都府福知山市寺町、臨済宗南禅寺派・海眼寺(芝原三裕住職)で、改修工事をしている観音堂の見学会が19日に開かれた。檀家ら約30人が構造、古い柱や彫刻などを間近で見て、伝統建築の技法に目を見張った。

 観音堂は江戸中期にはあったといい、幕末の1860年(安政7年)に火災で焼失。京都南禅寺伝来の千手観音像を譲り受け、1877年(明治10年)に再建されている。大正時代にも改修されているが、1953年(昭和28年)の大水害「28水」など、由良川の氾濫で度々水害に遭い、傷みが出てきていたため「令和の大改修」として、今年8月に着工した。

 歴史的なものがあるということを知ってほしいと開かれた見学会で、工事を請け負う能勢工務店の担当者が説明。観音堂の面積に対し、屋根の面積は3倍以上もあるという特徴や、柱に再建した年代が書かれていたことから、明治の再建時期が判明したことなどを伝えた。

 また、明治の再建時に工事を請け負った能勢市治郎の名や、ほかの大工の名前もあり、そのなかには名前の前に「士族」と付けられていて、担当者は「明治維新から10年。武士であったことに誇りを持っておられたのではないでしょうか」と推し量った。

 参加者は足場を上り、屋根近くの彫刻や昔使われていた和釘なども見て、写真に収めていた。

 工事の進捗率は3割程度で、来夏には完成予定だという。

 檀家の高山敏明さん(72)=兵庫県丹波市=は「普段はなかなか見られないのでありがたい機会。とても素晴らしかった」と話していた。

 

写真(クリックで拡大)=屋根の部分の柱などを見る参加者

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