村のタイムカプセルを開封 ミレニアム記念で埋めた市寺
2023年11月20日 のニュース
毘沙門天大祭で知られる京都府福知山市市寺でこのほど、地元で育てた農産物を味わう味穫祭と、住民たちが2000年に埋めたタイムカプセルの開封式があった。2歳から88歳までの35人が参加し、開封すると大盛り上がり。当時居合わせた人たちは、埋めた品々を見つめながら23年前の思い出に浸っていた。
タイムカプセルは西暦2000年の「ミレニアム」記念として、第3回味穫祭で梅酒用の瓶に思いおもいの品を入れた。10年後と20年後に開封するものに分けて公会堂横の公園内の2カ所に埋め、2010年にも掘り起こした。もう1カ所は20年に実施する予定だったが、コロナ禍で延期が続き、今回やっと実現した。
住民たちが「何が入っているかな」と楽しみに見守る中、掘り起こしが行われた。瓶から取り出されたワイン、アルバム、子どもの手形、埋める前日の新聞などをブルーシートに広げ、「おー懐かしい」「結構きれいに残っとる」「こんなん入れたかいな」などと口々に感想を話していた。
当時生まれていなかった子どもも父親が埋めた品に興味を示し、一緒に眺めていた。古銭の入った貯金箱が出てくると、「それ、うちのちゃうか」「いや、わしのやろ」と冗談を言い合い、終始和やかな雰囲気で開封式を終えた。
このあと、公会堂に移動し、地元で収穫したハクサイ、ダイコン、ニンジン、エビイモなどが入った毘沙門鍋、新米のおにぎり、大学芋、柿などを味わった。
参加した塩見伸一さん(65)は「長い間取り出せていなくて心配だったので、無事できて良かったです。開封前は入れたものを覚えていなかったのですが、妻が当時小学生だった娘にあてた手紙が出てきて懐かしい気持ちになりました」と喜んでいた。
味穫祭は実行委員会主催。公会堂にあった「おくどさん」がなくなることを惜しみ、1998年におくどさんで炊いた新米をみんなで味わったことが始まりという。
実行委員長の阪本裕行さん(78)は「食べながら住民がコミュニケーションを図れる良い機会になっていて、久しぶりにできて良かった。タイムカプセルは一段落つきましたが、また切りが良い年にできたら」と話していた。
写真(クリックで拡大)=タイムカプセルの瓶を取り出し、喜ぶ住民たち