野菜や木の実など野山の幸で「つくりもん」 額田の祭り復活
2023年10月16日 のニュース
京都府福知山市夜久野町の額田地区一帯で14、15両日、「額田の祭り」(額田区主催)が4年ぶりに営まれた。野菜や木の実、ススキなど野山の植物で地元住民らが作った「つくりもん」や西日本唯一といわれる2階部分が回る山車の巡行などを見物した。
上ダシ(回り舞台山車)、下ダシ(つくりもん)、御神木の巡行からなり、「額田のダシ行事」として京都府と福知山市の無形民俗文化財に登録されている。
地区内の5自治会が五穀豊穣に感謝して野山の幸で作る下ダシは、100年余りの歴史があり、先人から制作技術が脈々と受け継がれてきた。新型コロナウイルス流行の影響で中止が続いたが、住民らは空白の3年間を取り戻すかのように、連日連夜、必死に準備を進めてきた。
今年の作品のタイトルは下町が「となりのトトロ」▽上町が「アナハイム球場」▽旦が「桃太郎 鬼ケ島決戦」▽向が「前田慶次」▽奥が「どうする家康」。そのほか地元の子どもたちが作った下ダシも展示された。
訪れた人たちからは「すごい迫力」「植物で出来ているとは信じられない」などの声が聞かれ、作った住民らはうれしそうな表情を浮かべていた。
ほかにも祭りでは太鼓屋台や子どもみこしの巡行、古代信仰の名残を伝える一本木の御神木巡行などがあり、どれも見物客でにぎわいをみせた。
額田のダシ振興会の大本功幸事務局長は「下ダシは各自治会がそれぞれ力作を完成させ、訪れた多くの人に満足してもらえました。祭りは『完全復活』と言ってよいのではないでしょうか。当日はもちろん準備段階から、夜久野を離れて暮らす元住民が孫らを連れて手伝いに来てくれるなど、祭りを通じて地区全体が活気づいたことが何よりだと思います。次回は各自治会とも、今年以上の作品をめざすと思います。また来年を楽しみにしていただければ」と話していた。
写真(クリックで拡大)上から
・迫力ある下ダシに多くの人が足を止めた(旦)
・大きな掛け声で上ダシを引き、地区内を巡行した(下町)