連続放火事件で2件の犯人目撃情報提供 男性に感謝状
2023年09月30日 のニュース
京都府福知山市で5月から6月にかけて相次いで発生した放火事件で、警察に情報を提供し、事件解決に貢献したとして、福知山署は29日、会社員の佐藤靖志さん(47)=土師町=に感謝状を贈った。「けが人が出なかったので、まずはそれがよかった」と話している。
市内では神社が全焼するなど5月末からホームセンターや民家など6件の不審火が起こり、福知山署などはすべての放火に関わったとして市内在住の男子大学生(19)を逮捕した。
佐藤さんは、そのうち2件の現場近くで不審な人物を目撃し、消防や警察に通報した。1件目は、6月18日午前2時30分ごろに土師宮町のホームセンターで起きた事件。佐藤さんは火災の直前、現場近くの自宅前で、かごに段ボールを積んだ自転車が、ホームセンター近くの道を走るのを目撃した。
行動を不審に思い、自宅に戻って携帯電話などを持ってから店舗の方へ様子を見に行く途中で再度すれ違った時には、段ボールが無く、店舗では火柱が上がっていて、「すれ違った人物がやったな」と思ったという。すぐに119番通報し、消火器で初期消火を行った。
2件目は翌日の19日午後6時ごろ、佐藤さんが犬の散歩をしている時、自宅近くの空き家に、前日に見たのと似た特徴の自転車が止まっているのを発見。家から出てきた男に声をかけると、「近くで神社が燃えたと聞いたんですが、どこですか」と聞いてきたという。
少し会話をした後、男は同15日に全焼した愛宕神社へまっすぐ向かっていった。「バツが悪そうな、その場からすぐ立ち去りたいような雰囲気だった」と振り返る。佐藤さんは「不審な人物がいる」と110番通報。その後、この空き家ではふさぎ板の一部に焦げ跡が見つかった。
感謝状贈呈式は福知山署であり、柴田享司署長が佐藤さんに感謝状を手渡した。柴田署長は「目撃情報がなければスピーディに解決できず、さらなる被害が発生していたかもしれない。本当にありがとうございます」と感謝を述べた。
佐藤さんは「放火があった場所は地元で友人も多く、早く犯人が見つかってほしいと話していました。事件解決に役に立てたんじゃないかと思います」と話していた。
迅速な消火活動をしたとして、市消防本部からも感謝状を受けている。
写真(クリックで拡大)=感謝状を受け取る佐藤さん