伝統の夏の大祭中止 放火で全焼の愛宕神社
2023年07月20日 のニュース
6月15日夜の放火による火災で、本殿など3棟が全焼した京都府福知山市前田の愛宕神社は、例年7月23、24両日に営んでいた「夏の大祭」を今年は中止する。総代らは近日中に再建委員会を立ち上げる予定で、寄付金などの協力を呼びかける。
同神社は、京都山城の愛宕神社の分霊をまつっていて、創建400年余りになる。大祭は明治以降、土師、前田地区が交代で年番をし、無火災を願って営んできた。
府警によると、神社の火災は市内在住の男子大学生(19)が「ホワイトガソリンをまいて火をつけた」と自供しており、非現住建造物等放火の疑いで7月14日に再逮捕されている。
本殿などの再建に向け、両地区では再建委員会の人選を進めており、総代、自治会長、長老ら15人ほどで組織する予定。結成後はすぐに動き出し、再建後の規模や、必要な費用の集め方などを協議していく。今月中には第1回会議を開きたいとしている。
前田地区の神社総代世話役、土手隆晴さん(73)は「本殿がない状態ですので、祭りは中止せざるをえません。犯人が逮捕され、一区切りとなりましたが、地域の方々が大切にしてきた神社を焼かれたことの事実、強い憤りの気持ちは変わりません。今後、再建に向けては多くの困難があると思いますが、みなさまのお力添えを頂けたらうれしい」と話している。
同大学生は神社への放火のほか、6月23日に土師宮町のホームセンターに火をつけた疑いで逮捕されている。
写真(クリックで拡大)=焼けた柱などの撤去作業が完了した境内