幸せの記憶「お菓子の神様展」 豊岡で
2023年07月14日 のニュース
お菓子の城やフルーツのシャンデリアなど、夢いっぱいのアート作品による「渡辺おさむ お菓子の神様展Ⅱ」が、豊岡市立美術館・伊藤清永記念館(兵庫県豊岡市出石町内町)で開かれている。撮影自由。作品の中に座って撮れる場所もあり、来場者たちはお気に入りの一枚を選んでは、SNSに投稿している。
渡辺さんが作るのは、クリームいっぱいのケーキやマカロン、クッキー、ぷるんとしたゼリーなどの、お菓子そっくりなスイーツ・デコ・アート。樹脂で作っている。
1980年に山口県周南市で生まれ、2003年に東京造形大学デザイン学科を卒業。スイーツ・デコの技術をアートに昇華させたとテレビで話題になり、海外でも作品展が開かれている。
在学中に自分ならではの表現方法をと考え、母が製菓教室の先生をしていて、小さいころからずっと目にしてきたお菓子作りを生かそうと思い、樹脂でお菓子作品を作るようになったという。
制作にあたっては、「おいしそう」に見えるよう色にこだわり、実物以上に彩度を強調していると渡辺さん。自身はモンブランが一番好きで、今回の作品の中にもモンブランをあしらったものを入れている。
豊岡での作品展は10年前の兵庫県立円山川公苑美術館に次いで2回目。市内には、お菓子の神様「田道間守命」をまつり全国の製菓業者が祈願する中嶋神社があり、今回の作品展では田道間守命の神話をモチーフに、お菓子の神様や、お菓子の仏様なども寄せた。
「昔、お菓子は神様への捧げ物でした。生活に必要な物というわけではないけれど、生活を豊かにしてくれる、ユートピア的な存在だと思います」と渡辺さん。人びとの「幸せの記憶にある」お菓子を表現しようと心がけているという。
「お菓子は幸せな気持ちにさせてくれる力があります。作品をみて、写真を撮って、幸せな気持ちを拡散・共有して下さい」と話していた。
会期は10月1日まで。水曜休館で時間は午前9時30分から午後5時まで。一般600円、高校大学生400円、小中学生200円。美術館は電話0796(52)5456。
写真上(クリックで拡大)=夢いっぱいの作品が並ぶ
写真下(クリックで拡大)=作品に囲まれる渡辺おさむさん