舞鶴市が大江の由良川に海水防ぐ幕 取水場近くで
2023年06月28日 のニュース
京都府舞鶴市はこのほど、福知山市大江町高津江と舞鶴市桑飼上の境界付近を流れる由良川に、日本海からさかのぼってくる海水(潮)を防ぐ防潮幕を張った。設置場所のすぐ上流の同町二箇下には、舞鶴市の上水道の取水場があり、取水時の塩分濃度の上昇を抑えるのが目的で、設置は2020年から4年連続となる。
舞鶴市はこの場所から水をくみ上げて別の施設で浄水し、市内の8割の世帯の水道水をまかなっている。
二箇下の取水場は由良川河口から17・2キロ上流にあるものの、降雨量が少ないと川の水が減ってここまで海水が遡上(そじょう)し、取水時の塩分濃度が水質基準を超え、安定的な水道水の供給ができなくなるため、状況を見て防潮幕を設置している。
昨年は6月28日~7月3日と8月9日~翌1月16日の計167日間設けた。今年はこのところ、適度な雨が降っており、塩分濃度は上がっていないが、梅雨明け後の降雨量が少なくなることを見込み、早めの設置を決めた。
防潮幕はテントなどに使われる帆布製で、川幅約100メートル間に長い浮き袋を張り、川底に向けて長さ2~3メートルの幕を取り付けている。海水が遡上するほどの渇水時には、川の水位が下がっているため、このサイズで対応可能なのだという。
舞鶴市水道整備課は「大雨が降り、水かさが増えてきたらいったん取り外すこともありますが、撤去時期は降雨量や天候を見ながら決めたい」という。
写真(クリックで拡大)=川の両岸に杭を打って張った防潮幕