初代オスカル榛名さん、篠山で戦国ミュージカルに
2023年06月25日 のニュース

明智光秀の丹波攻め・篠山八上城の攻防を巡る伝説を題材にしたミュージカル「ASAJI 篠山戦国ものがたり」が、7月23日に兵庫県丹波篠山市の市立田園交響ホールで上演される。特別出演の元宝塚トップスター、榛名由梨さんらも稽古に臨み、「やる気満々ですよ」と意欲を見せる。
■光秀丹波攻め・八上城を題材に■
今回の作品は光秀丹波攻めの天正3年(1575)と現代を結び交錯させる物語。現代から戦国時代に迷い出た女性が、光秀と織田信長、八上城の波多野秀治、秀治を支えた人びとの姿から、何を見て何を感じとるのか。地元に伝わる落城と朝路姫の伝説をベースに、本能寺の変につながる歴史の謎にも迫る構成としている。
会場の田園交響ホールで18日に、大道具などを置いて立ち位置などを確認する場当たり稽古があり、特別出演の榛名由梨さん、鈴鹿照さんも参加した。
■鈴鹿さんと息ピッタリ 存在感と高い技術が団員たちのお手本に■
榛名さんは宝塚歌劇団の月組、花組で9年もの長期にわたりトップスターを務めた、宝塚のレジェンド。1974年に「ベルサイユのばら」で初代オスカルを務め、「ベルばら」ブームを巻き起こした。翌年には月組から花組に移ってアンドレを演じ、この時に少女ルルー役を務めたのが鈴鹿さんだった。
昨年に舞台生活60周年を迎えた榛名さんだが、いまだ声量は豊かで、稽古でも大きな存在感を放つ。同じく重要な役どころの鈴鹿さんも、説得力ある所作で団員たちのお手本となっている。
出演にあたって榛名さんは「知らないことが多く、地域の歴史を台本から勉強させてもらっている」と喜ぶ。劇団員たちについては「みなさん情熱がほとばしっている。伸びしろがあって日々発見があって楽しい」と語り、鈴鹿さんは「一生懸命に生きた波多野一族を、若い劇団員たちが一生懸命に演じている。その一生懸命さがぶつかりあって、きっといい舞台になる」と手応えを話す。
宝塚時代そのままに息ピッタリの二人に、OZメイトを主宰する辻井奈緒子さんは「本物の技術を持つお二人から学べる貴重な機会。継承するため、みんな必死に吸収しようとしています」と稽古の熱量を語っていた。
公演は正午からと午後3時からの2回。全席指定4千円。問い合わせは田園交響ホール、電話079(552)3600。
写真上(クリックで拡大)=場当たり稽古で立ち位置などを確認する榛名由梨さん(右)、鈴鹿照さん(中)。若い団員たちのお手本になっている
写真下(クリックで拡大)=衰えない舞台への情熱を語る榛名さん、鈴鹿さん