休日部活動の地域移行 検討会議立ち上げ方向性探る

2023年05月25日 のニュース

 京都府福知山市教育委員会は、公立中学校の休日部活動の地域移行に向け、今年度から本格的に動き出した。部活動地域移行・総括コーディネーターに2人を委嘱し、モデル事業に取り組む方針。6月をめどに、部活改革検討会議を立ち上げ、福知山の特性に合った方向性を探っていく。

 国は、少子化による学校間の格差解消、教員の負担軽減などを目的に、地域団体や民間事業者に部活動を委託するよう、方針を示している。まずは休日の移行をめざし、今年度から改革を進めるよう促している。

■コーディネーターに元校長ら2人を委嘱

 このことを受けて市教委では、総括コーディネーターとして、広く市内外のスポーツ団体とつながりがある片野翔大さん(36)、元教員で中学校長の経験があり、児童・生徒のスポーツ活動に見識がある片山哲朗さん(65)を委嘱した。

 2人は各中学校の状況把握、各関係機関との調整役を担う。15日には就任のあいさつを兼ねて、市教委と各中学校を訪問。部活動移行の趣旨説明をしたり、学校ごとの部活動の種類、所属部員数を確認したりした。

 市教委学校教育課の八瀬正雄課長(58)は「コーディネーターによる実態把握のほか、昨年度に実施した当時の小学5、6年生と中学1、2年、その保護者を対象にしたアンケート調査の結果なども含め、福知山にとってベストな地域移行の方向性を検討会議で議論したい」という。

 方向性としては、部活動は近隣学校と合わせたエリア制にする▽学校単位のままで、外部の指導者が指導を受け持つ-など、さまざまな形が考えられる。「学校の規模や部活動の種類によって、形式を変えることも必要になりそう」とする。

■文化部は来年度以降に

 休日部活動の地域移行は、2027年度中の完了を目標に掲げる。文化部についても、美術部や吹奏楽部に所属する生徒は多く、来年度以降にあり方を検討していく。

 八瀬課長は「学校とは別の場所で休日に練習する場合は、移動の問題が出てきます。また各競技の指導者確保も課題で、民間のみなさんのお力添えをいただきたい」と呼びかける。

 さらに「平日の部活動についても、今後の課題として検討しますが、生徒の様子を知る機会でもある部活動の意義を認識し、慎重に考えていきたい」と話している。

 移行に向けて、重要な役割を担うコーディネーターの2人。片山さんは「小規模校は部活動の種類が少なく、本当にやりたいスポーツが、できていない生徒もいます。休日部活動の地域移行が、学校間格差を少しでも解消する機会になれば」と期待する。

 片野さんは「全国的に地域移行はなかなか進んでおらず、すでに動き出している福知山市は、先進的な事例になり得ます。なんとか成功させて、全国のモデルケースになり、市内のスポーツの発展につなげたい」と意気込んでいる。


写真=成和中の部活動を視察する片山さん。サッカー部員に地域移行に関する質問もした

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