農村RMOで農地保全や特産品開発 高齢農家多い中六

2023年05月10日 のニュース

 京都府福知山市中六人部地区で、農地保全を主軸に、地元の関係団体が一体となって持続可能な地域づくりに取り組む新たな組織が立ち上がった。今年度の農林水産省の「農村型地域運営組織(農村RMO)形成推進事業」に選定される見込みで、国の補助金を活用して、「農地保全」「地域資源の活用」「生活支援」の3分野の事業に取り組む。

 高齢化、人口減少の進行で、全国の中山間地域では農地や水路などの保全、生活の環境整備などの集落維持に必要な機能が弱体化している。そこで農水省は昨年度、小学校区など広域的に支え合う組織づくりの支援を始めた。都道府県を通じて、3年間で最大3千万円を補助するもので、昨年度は全国で28地区、府内では京丹後市、与謝野町でモデル地区が選定された。 

 中六人部地区は人口700人ほどの農村で、2人に1人が高齢者。米作りを中心に営農している高齢農家が多く、農業従事者の担い手不足が大きな課題となっている。ほ場は市内でも早い昭和時代後期に整備した関係で、1区画が10アールほどと狭く、大規模農業やスマート農業に適した区画整備などに取り組む必要がある。

 これまで中六人部地域づくり協議会(愛称・ミライト中六)が地域課題の解決に取り組んできたが、できることが限られており、地域づくり組織の発展を目指して農水省の事業活用を模索。京都府や福知山市と協議を進めてきた。

今回立ち上げた組織名は「中六人部地区農村RMO事業推進連絡会議」。自治会、農業、福祉、バス運行など関係7団体で構成する。事務局はミライト中六が担う。事業の期限は3年間。

 具体的には、「農地保全」として、大区画ほ場整備や増加する耕作放棄地の解消に向けて、住民を対象に調査を実施するほか、「地域資源の活用」では地場産野菜の販売ルートの確立、特産品開発などに取り組み、「生活支援」では高齢者の生活支援サービスなどを展開するという。

 4月29日に下地の中六人部会館で、組織の設立総会を開き、事業計画案や予算案などを承認。今年度は国からの補助金420万円を活用し、専任スタッフを雇って農地調査をするほか、地場産野菜販売の視察などに取り組む。役員の選任では、自治協議会長の藤田守さん(69)が代表に就任することが決まった。

 藤田代表は「10年、20年後を見据えて、この事業を活用し、農地保全の要素を組み込みながら、既存組織の横の連携強化を図って、将来にわたって持続可能な地域づくりに取り組んでいきたい」と話している。

 

写真上=一面に広がる耕作放棄地(田野で)
写真下=設立総会で地域の将来について話し合った
(写真はクリックで拡大)

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