過疎で神輿の担ぎ手が不足 大原神社が協力呼びかけ
2023年04月12日 のニュース

安産の神様として知られる京都府福知山市三和町大原の大原神社(林秀俊宮司)は、5月3日に4年ぶりの神輿渡御(みこしとぎょ)を行うなど、にぎやかな春季例大祭を復活させる。一方で、少子高齢化が進み、神輿の担ぎ手が足りない状況に陥っていて、町内外から協力者を募っている。
春季例大祭は、南丹市美山町から大原へ遷座された852年から続く、伝統ある町内最大の祭り。当初は、鎮座した4月23日に行われていたが、50年ほど前に5月3日の祝日(憲法記念日)に変更された。
境内や集落内を2基で練り歩く神輿渡御は、江戸時代ごろに始まったとされる。戦前、戦後のころは、まだ住民の数が多く、各世帯の長男のみが担ぎ、ほかの人は担ぎたくても担げないような状況だったという。
それから過疎化が進み、現在は56世帯100人ほどに。20代が2人いるだけで、ほかは50代以上。在住者に出身者を合わせても担ぎ手は15人ほどしか見込めない。2基で計40人は必要とあって、深刻な人手不足に陥っている。
近年は福知山公立大、佛教大の学生、京都市内のボランティア団体・堀江神輿会などの協力を受け、実施してきたが、今年はそれでも足りない状況。このため、初めて広く協力を呼びかけることにした。
体力に自信がある高校生以上なら、誰でも参加できる。正午に神社神輿蔵前に集合し、午後2時~3時30分に巡行。10日現在で約15人の応募があり、あと10人~15人ほどが必要という。
林宮司(66)は「今年は4年ぶりに、にぎやかな祭りが実施できる運びとなりました。コロナで下を向くことが多いなか、祭りでみなさんに元気をお届けしたい。そのためにも、無事に神輿を巡行させられるよう、ご協力をお願いします」と話している。
申し込みは15日までに大原神社、電話0773(58)4324へ。ファクスでも可能で、名前、電話番号、ファクス番号、メールアドレス、住所、生年月日、身長、体重を明記し、ファクス0773(58)3871まで。多数の場合は、参加できない可能性がある。
写真(クリックで拡大)=4年ぶりに神輿渡御が復活する(写真は2019年の様子)