水素で動くフォークリフト エコ社会実現へSECで試験導入

2023年03月15日 のニュース

 エコ社会の実現を目指して京都府は、府北部中丹3市の企業に、二酸化炭素を排出しない水素で動く燃料電池フォークリフトを配置し、導入意欲や燃料供給体制の課題を探る実証事業に取り組んでいる。福知山市では長田野工業団地のSECカーボン京都工場で試験導入された。

 府は、温室効果ガスの排出を社会全体で実質的にゼロにする2050年のカーボンニュートラルを見据えて、化石燃料に代わる次世代エネルギーとして水素に注目。2021年度に日本海側拠点港に位置付ける舞鶴港を抱える舞鶴市内で、燃料電池フォークリフトの実証事業を行い、今年度は将来的な需要先として期待する福知山、綾部両市の工業団地にも広げた。

 実証事業は昨年12月15日~3月15日で、3市内の各1社でフォークリフトの使用感を確かめると共に、経済的かつ効率的に燃料を確保する手法として、専用トラックでの巡回供給を試行している。

 企業単位で水素供給施設を設置するには莫大な費用がかかるため、府は、工業団地や地域単位で投資して共同のマザー施設を設け、そこから専用トラックで燃料を運ぶ「移動式水素ステーションモデル」を掲げる。実証事業では舞鶴市内のマザー施設から3市内に供給している。

 10日には説明会が開かれ関心を持つ企業関係者らが参加。長田野工業団地内の市企業交流プラザで府の委託事業者らの概要説明があり、SEC京都工場では専用トラックからフォークリフトに水素が3分程度で充填される様子を見学した。

 約8時間稼働し、リフトごとに充填履歴を確認することができ、非常時電源にもなることなどを聞いて工業団地関係者が関心を寄せていた。

 SECの田畑洋・京都工場長は「リフトの作業音がすごく静かで、労災防止のためにあえて音を出して使用しています。今回配置されているリフトは2トンほどのもので、普段使っているものよりは小さいので、もう少しパワーが欲しい。サイズの種類が増えていけば導入しやすくなる」と話していた。

 府脱炭素社会推進課は「府としても挑戦的な取り組みですが、実現に向けて実証事業の結果を検証して新年度につなげていきたい」と意気込んでいた。

写真=専用トラックから水素をフォークリフトに充填した(SECカーボン京都工場で)

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