重文になった経ケ岬灯台 文化観光に生かせと3月にシンポ

2023年02月13日 のニュース

 近畿最北、丹後半島の先端にある経ケ岬灯台が、国の重要文化財に指定された。近くには舟屋で人気の伊根浦伝統的建造物群保存地区がある。これら貴重な文化遺産を地域が連携して文化観光に生かす方法を探ろうと、海の京都文化観光連携シンポジウムが、3月4日午後1時30分から京都府立丹後郷土資料館(宮津市国分)で、翌5日正午から京丹後市丹後庁舎(京丹後市丹後町間人)で開かれる。無料。

 経ケ岬灯台は国の文化審議会が昨年10月に灯台1基と付属建物1棟の重文指定を答申し、12月12日付官報告示で指定された。

 行き交う船舶の遭難が多く、岬の下の洞窟で僧侶が犠牲者の霊を弔うために経を唱えたことから「経ケ岬」と呼ばれるようになったとされる難所で、灯台は夜の日本海を安全に航行できるようにと明治29年(1896)に起工し、31年に完成。12月25日に初点灯した。

 海抜148メートルの断崖に建つ石造りの施設で、高さが13・7メートルある。建設当時のレンズや、レンズを回転させる水銀槽式回転機械が、今も現役で活躍。希少な第1等レンズ(フレネルレンズ)を使い、20秒に3閃光して、その光は41キロ先からでも確認できるといわれる。

 灯台から3キロの場所には伊根町の舟屋群、その南には天橋立など、一帯には様々な文化資源があり、連携することによる文化観光と地域発展が期待されており、シンポジウムで可能性を探る。主催は京丹後市教育委員会、京都府立丹後郷土資料館、海の京都DMO。

 4日は文化庁文化財第2課調査官の番光さんが「経ケ岬灯台の文化財的価値」、海の京都DMO伊根地域本部(伊根町観光協会)事務局長の吉田晃彦さんが「伊根町の文化観光資産の魅力」と題して講演する。

 5日は海上保安庁の藤島充良さんが「現役の航路標識について」と題して講演した後、福知山公立大学教授(歴史学、地域文化論)の小山元孝さんらで「経ケ岬灯台と文化観光資産の観光周遊活用について」をパネルディスカッションする。

 それぞれ両会場を結んでのパブリックビューイングもある。問い合わせは電話0772(27)0230の府立丹後郷土資料館か、0772(69)0640の京丹後市教委へ。

 

写真上=ライトアップされた経ケ岬灯台
写真下=伊根の舟屋

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